【千葉県公立高校入試・歴史】近現代の並べ替え問題の解き方|20試験から抽出した「4選3整序」と時期判定の手順

※本記事は、客観的分析のため『だ・である調』で統一しています。

導入:近現代史の並べ替え問題は「年号の丸暗記」だけで解くものなのか

高校入試の歴史分野において、判断に迷いやすい設問形式の一つが「年代の古い順に並べ替える問題(年代整序問題)」である。とりわけ近現代史(幕末・明治維新〜現代)は、約170年という短い期間に多くの戦争・条約・内閣・法律が密集しているため、「すべての出来事の西暦年号を1年単位で個別に暗記しなければ解けないのではないか」と考える受験生も少なくない。

しかし、千葉県公立高校入試の近現代史大問(2012〜2026年度の15年間・全24試験・113設問)における実際の出題データを検証すると、個別の年号を断片的に暗記するだけでは対応しにくい一方で、「特定の時代境界線による絞り込み」と「出来事どうしの歴史的な流れ・因果関係」を組み合わせれば、細かい年号をすべて暗記していなくても順序を判断できる構造になっていることが分かる。

さらに注目すべきは、2017年度前期を境に生じた出題形式の変化である。2016年度前期までは4つの選択肢すべてを古い順に並べる形式が中心であったが、2017年度前期以降は「4つの選択肢から指定された期間にあてはまる3つを選び、古い順に並べる形式(以下、4選3整序)」が主流となっている。

本稿では、過去15年間・全24試験のうち20試験で出題された近現代史の並べ替え問題(全20問)を対象に、出題形式の推移、期間外の選択肢を除外する基準、および年号の丸暗記だけに依存しない時期判定の手順を体系的に整理する。

(※分析対象は、2012年度前期〜2025年度の大問5[23試験]および2026年度の大問3[1試験]の計24試験である。古代〜近世史を中心とする別大問は本稿の集計対象外としている。)

出題データ:15年間・24試験における年代整序問題の構造と推移

2012年度から2026年度までの全24試験において、近現代史大問で年代整序問題が出題されたのは20試験(83.3%・計20問)である。これは古代〜近世史大問における年代整序の出題頻度(24試験中13試験※史料・年表の時期照合型1試験を除く)を上回っており、近現代史において最も出題頻度が高い設問形式の一つとなっている。

時期ごとの出題形式の内訳は以下の通りである。

期間区分対象試験数4事象完全整序4選3整序年代整序なし
2012前〜2016前9試験8試験0試験1試験
2016後〜2020後9試験1試験5試験3試験
2021〜20266試験2試験4試験0試験
全期間合計24試験11試験9試験4試験
  • 4事象完全整序(11試験):提示されたア〜エの4つの文(またはカード)すべてを古い順に並べ替える形式。2012年前期、2012年後期、2013年前期、2013年後期、2014年前期、2014年後期、2015年前期、2016年前期、2018年後期、2021年、2026年に出題された。
  • 4選3整序(9試験):提示されたア〜エの4つの文のうち、指定された期間に該当するものを3つ選び(期間外の1つを除外し)、古い順に並べ替える形式。2017年前期、2018年前期、2019年後期、2020年前期、2020年後期、2022年、2023年、2024年、2025年に出題された。
  • 年代整序なし(4試験):2015年後期、2016年後期、2017年後期、2019年前期の4試験では並べ替え問題は出題されなかった(ただし、このうち2015年後期・2017年後期・2019年前期の3試験では、年表やカードの特定期間にあてはまる出来事を1つ選ぶ時期判定問題が出題されている)。

特に一本化後の2021〜2026年度の6年間を見ると、6年連続で毎年1問ずつ年代整序問題が出題されており、そのうち4回(2022〜2025年度)が「4選3整序」、2回(2021・2026年度)が「4事象完全整序」である。受験生は、この両方の形式に対応できる処理手順を身につけておく必要がある。

「4選3整序(全9問)」を解く2段階の手順:まず期間外の1つを消す

2017年度前期以降に9回出題されている「4選3整序」で誤りやすいのは、最初から4つの選択肢すべての細かい年号を思い出して一斉に並べようとすることである。

この形式では、必ず次の「2段階の手順」に分けて処理を行う。

  1. 第1段階(期間外の1事象を除外する):設問文や略年表で指定された「期間の始まりと終わり(境界線)」を確認し、時代区分が明確に外れている1つの選択肢(分類C)を見つけて最初に消去する。
  2. 第2段階(残った3事象を古い順に並べる):残った3つの選択肢についてのみ、因果関係や時代ブロックを使って前後関係を決定する。

実際に過去9問の「4選3整序」で何が期間条件として指定され、どの選択肢が期間外として除外されたかを一覧で確認する。

年度・設問指定された期間条件除外する選択肢除外事象の年正答の順序
2017前期(2)1915年より前イ シベリア出兵1918年エ→ア→ウ
2018前期(5)1973年石油危機より前ウ イラク派遣2003年〜ア→エ→イ
2019後期(3)1937〜1956年の間ア 公害対策基本法1967年ウ→エ→イ
2020前期(1)1874〜1890年の間イ 立憲政友会結成1900年ウ→エ→ア
2020後期(1)1900〜1924年の間ウ 国際連盟脱退1933年イ→ア→エ
2022年度(4)1919〜1945年の間エ 南北朝鮮の成立1948年ウ→ア→イ
2023年度(2)1894〜1914年の間ウ 二十一か条要求1915年エ→イ→ア
2024年度(4)第二次大戦後(1945〜)エ 国際連盟の発足1920年イ→ウ→ア
2025年度(3)1907〜1940年の間イ 下関条約の締結1895年ア→エ→ウ

この9問のデータを分析すると、第1段階(期間外の除外)と第2段階(3事象の整序)について、次の重要な規則性が浮かび上がる。

1. 期間外の選択肢は「大きな時代の境界線」で判定できる

全9問のうち、2017年前期から2023年度までの7問はすべて「指定期間の終わりよりも後の出来事」が除外対象となっており、直近の2024年度・2025年度の2問は「指定期間の始まりよりも前の出来事」が除外対象となっている。

そして、その除外判定に使われている境界線は、以下の通り歴史の大きな転換点ばかりである。

  • 第二次世界大戦の終結(1945年)をまたぐ判定:2022年度(4)の「大韓民国・朝鮮民主主義人民共和国の成立(1948年=戦後)」や、2024年度(4)の「国際連盟の発足(1920年=第一次世界大戦後であり、第二次世界大戦後ではない)」は、1945年の終戦より前か後かという大枠だけで即座に除外できる。
  • 高度経済成長と石油危機(1960〜70年代)をまたぐ判定:2018前期(5)の「自衛隊のイラク復興支援派遣(2000年代)」や、2019後期(3)の「公害対策基本法の制定(1967年・高度経済成長期であり、1956年国連加盟より後)」も、時代ブロックの違いから容易に除外できる。
  • 明治後期〜大正期と昭和戦前期をまたぐ判定:2020後期(1)の「日本の国際連盟脱退通告(1933年・満州事変の後)」は、指定された1900〜1924年の期間から明確に外れている。

2. 唯一の「1年差の除外」も、戦争との因果関係で解ける

9問の中で最も期間の境界線に近かったのは、2023年度 大問5 問2である。 この問題では、略年表の期間A「1894年(日清戦争が始まる)〜1914年(第一次世界大戦が始まる)」にあてはまるものを3つ選ぶ条件に対し、除外すべき選択肢ウは「中国に対して、二十一か条の要求を出した(1915年)」であった。

1914年と1915年という数字だけを見ればわずか1年の差であるが、これも「1915年」という数字の暗記だけで解く問題ではない。「日本が第一次世界大戦(1914年開始)に参戦し、ヨーロッパ列強がアジアに手を回せない隙をついて中国に二十一か条の要求を出した」という歴史的な因果関係を理解していれば、「二十一か条の要求は『第一次世界大戦が始まる(1914年)』よりも後の出来事である」と論理的に判断でき、期間Aから除外することができる。

個別の年号暗記だけに頼らない「3つの時系列判定ロジック」

期間外の1つを除外した後の「3事象の並べ替え」や、4つすべてを並べる「4事象完全整序(11問)」では、どのように前後関係を決めればよいのか。15年間の実問を分析すると、すべての年号を1年単位で暗記していなくても順序を判断できる3つの判定ロジックが確認できる。

ロジック1:「原因 → 結果」の歴史的な流れで並べる

短期間に複数の出来事が連続する設問ほど、年号の暗記だけでなく「Aが起きたからBになり、その結果Cに至った」という歴史的経緯や因果関係で並べられるように作られている。

具体例①:幕末のわずか4年間の整序(2012年度 前期選抜 大問5 問1)

1858年(日米修好通商条約)から1867年(王政復古の大号令)までの間に起きた次のア〜エを古い順に並べる問題である。

  • ア:イギリス・フランス・アメリカ・オランダの連合艦隊が下関の砲台を占領した。
  • イ:土佐藩のすすめもあり、15代将軍徳川慶喜は朝廷に政権を返上した。
  • ウ:開国に対する反感などにより攘夷論が高まる中、長州藩は外国船を砲撃した。
  • エ:薩摩藩は、土佐藩の坂本龍馬らの仲介で、長州藩とひそかに同盟を結んだ。

これらは1863年から1867年までのわずか4年間の出来事であるが、4つの出来事の西暦年号をすべて正確に暗記していなくても、長州藩の攘夷行動と欧米列強の報復、薩長同盟の成立から大政奉還に至る歴史的な流れを理解していれば、順序を判断できる。

  1. まず、長州藩が下関で外国船を砲撃した(ウ:攘夷の実行)。
  2. その報復として、四国連合艦隊が下関の砲台を攻撃・占領した(ア:欧米列強の武力を知り攘夷の不可能を悟る)。
  3. 武力倒幕へ方針を転換した長州藩と薩摩藩が、坂本龍馬らの仲介で薩長同盟を結んだ(エ)。
  4. 追い詰められた幕府の15代将軍徳川慶喜が、大政奉還を行って政権を朝廷に返上した(イ)。

このように「外国船砲撃(ウ)→ 報復による砲台占領(ア)→ 薩長同盟(エ)→ 大政奉還(イ)」という歴史的な因果の流れをたどることで、「ウ → ア → エ → イ」の順序を判断できる。

具体例②:日清戦争後から韓国併合までの整序(2023年度 大問5 問2)

先述の2023年度(2)で、期間外のウ(二十一か条の要求)を除外した後に残る3つの選択肢は以下の通りである。

  • ア:韓国を併合し、ソウル(京城)に朝鮮総督府を置いた。
  • イ:ロシアの南下政策に対抗するため、日英同盟を結んだ。
  • エ:ロシアは、ドイツ・フランスを誘って、遼東半島を清に返すよう日本にせまった。

これも歴史的な因果関係でつながっている。

  1. 日清戦争の講和(1895年下関条約)で日本が遼東半島を獲得した直後、ロシア・ドイツ・フランスが返還を迫る三国干渉を行った(エ)。
  2. その後、義和団事件を経て満州を占領し南下を続けるロシアに対抗するため、日本は日英同盟(イ)を結んで日露戦争に臨んだ。
  3. 日露戦争に勝利して韓国への支配権を強めた日本は、韓国を併合して朝鮮総督府を置いた(ア)。

したがって、「エ → イ → ア」の順となる。

ロジック2:条約の段階的変化(領土・権益の推移)で並べる

近代日本の外交史では、同じ相手国や地域との間で結ばれた複数の条約を並べ替える問題が繰り返し出題される。この場合は、条約名だけでなく「どの領土・権益がどう変化したか」の段階を押さえておくことで順序が確定する。

具体例:日露国境3条約の整序(2017年度 前期選抜 大問5 問2)

1915年より前の出来事として、期間外のイ(1918年シベリア出兵)を除外した後に残る3つの選択肢は、いずれもロシアとの領土・国境に関する条約である。

  • ア:樺太(サハリン)全島をロシア領とし、千島列島全島を日本領とすることなどを定めた。
  • ウ:韓国における日本の優越権を認めさせ、樺太の北緯50度以南を日本領とすることなどを定めた。
  • エ:択捉島と得撫島の間に国境を定め、樺太については国境を定めないこととした。

ここでは「樺太(サハリン)の扱いがどう変化したか」に注目する。

  1. 江戸幕末の開国期(1855年・日露和親条約)には、まず択捉島と得撫島の間に国境を引き、「樺太には国境を定めず(雑居地)」とした(エ)。
  2. 明治初期(1875年・樺太千島交換条約)には、樺太での紛争を防ぐため、「樺太全島をロシア領、千島全島を日本領」として交換した(ア)。
  3. 日露戦争に勝利した講和(1905年・ポーツマス条約)では、ロシア領だった樺太のうち「北緯50度以南(南樺太)を日本領」として獲得した(ウ)。

「樺太の国境なし(エ)→ 樺太はロシア領(ア)→ 南樺太が日本領(ウ)」という段階変化から、「エ → ア → ウ」と確定できる。

ロジック3:「大正〜昭和初期(1914〜1933年)」と「戦後史」の基準軸で並べる

4つの選択肢が別々の分野(外交・国内政治・経済・社会)から出題され、直接の因果関係が見えにくい場合は、近現代史の背骨となる2つの最重要タイムラインに当てはめて順序を判定する。

1つ目は、近現代史の年代判定で重要となる「第一次世界大戦から国際連盟脱退まで(1914〜1933年)」の時系列である。

  • 1914〜1918年(第一次世界大戦中):1914年サラエボ事件・大戦開始・日本参戦 → 1915年二十一か条の要求・大戦景気の始まり → 1917年ロシア革命(レーニン・ソビエト政府)・アメリカ参戦 → 1918年シベリア出兵・米騒動・原敬内閣(立憲政友会)
  • 1919〜1925年(大戦後の国際協調とデモクラシー):1919年パリ講和会議(ベルサイユ条約・民族自決)・三一独立運動・五四運動 → 1920年国際連盟発足 → 1921〜22年ワシントン会議(海軍軍縮・並行する日中交渉で山東省権益返還) → 1922年ソ連成立・伊ムッソリーニ政権 → 1925年普通選挙法・治安維持法
  • 1929〜1933年(世界恐慌と国際連盟脱退):1929年世界恐慌 → 1931年柳条湖事件・満州事変 → 1932年満州国建国・五・一五事件(犬養毅暗殺) → 1933年日本の国際連盟脱退・ドイツでヒトラー政権成立・アメリカでニューディール政策開始(1930年代に英仏などはブロック経済を推進)

たとえば2022年度(4)の「ウ ワシントン会議(1921〜22)→ ア ニューディール政策(1933)→ イ 日独伊三国同盟(1940)」や、2025年度(3)の「ア ワシントン会議(1921〜22)→ エ 治安維持法(1925)→ ウ 国際連盟脱退(1933)」、2026年度(4)の「エ 米の第一次大戦参戦(1917)→ ウ ワシントン会議(1921〜22)」は、すべてこの基準軸から順序が決まる。

2つ目は、24試験すべて(100%)で出題されている「戦後史(1945年〜)」の基準軸である。

  • 1945〜1949年(占領改革):1945年ポツダム宣言受諾・シベリア抑留・占領改革開始(財閥解体・治安維持法廃止・農地改革への着手など) → 1946〜47年日本国憲法の公布・施行、農地改革の本格化 → 1948年南北朝鮮成立 → 1949年中華人民共和国成立・東西ドイツ分断・湯川秀樹ノーベル賞
  • 1950〜1956年(講和と国際社会復帰):1950年朝鮮戦争開始・特需景気・警察予備隊 → 1951年サンフランシスコ平和条約・日米安保条約調印(1952年発効) → 1953年朝鮮戦争休戦協定 → 1955年アジア・アフリカ会議、原水爆禁止世界大会 → 1956年日ソ共同宣言・国連加盟
  • 1960〜1978年(高度経済成長とアジア外交):1960年所得倍増計画 → 1964年東京五輪・東海道新幹線 → 1965年日韓基本条約・ベトナム北爆 → 1967年公害対策基本法 → 1968年GNP世界第2位 → 1970年大阪万博 → 1971年環境庁設置 → 1972年沖縄の日本復帰(佐藤栄作)・日中共同声明(田中角栄) → 1973年第四次中東戦争と第一次石油危機(高度成長終焉) → 1978年日中平和友好条約
  • 1980年代後半〜1990年代(冷戦終結と現代):1980年代後半バブル経済 → 1989年ベルリンの壁崩壊・マルタ会談(冷戦終結宣言) → 1990年東西ドイツ統一 → 1991年湾岸戦争・ソ連解体 → 1997年香港返還・京都議定書

戦後史の並べ替え(2014後期(5)、2016前期(5)、2018前期(5)、2018後期(3)、2019後期(3)、2021(5)、2024(4)の計7問)は、すべてこの基準年から出題されている。

年代整序で注意したい「2つの引っかけパターン」と防止策

過去20問の年代整序問題の中には、用語と年号を機械的に1対1で暗記していると逆転ミスを起こしやすい「引っかけ」が2つ存在する。

1. 戦争の「開始年」と「休戦・終結年」のすり替え(2014年度 後期選抜 大問5 問5)

2014年度後期(5)では、1948年の南北朝鮮建国より後の冷戦期の出来事として、次のア〜エを古い順に並べる問題が出題された。

  • ア:東ヨーロッパ諸国で民主化の動きがすすむなか、ソ連が解体した。
  • イ:アメリカによる北ベトナムへの爆撃(北爆)をきっかけに、ベトナム戦争が激しくなった。
  • ウ:朝鮮戦争の休戦協定が、板門店で調印された。
  • エ:日米安全保障条約が調印され、アメリカ軍の日本駐留が認められた。

ここで注意したいのが、「朝鮮戦争=1950年」「サンフランシスコ平和条約・日米安保条約=1951年」という数字だけを思い出し、誤って「ウ → エ」と並べてしまうケースである。

選択肢ウの文末を正確に読むと、「朝鮮戦争が始まった(1950年)」ではなく、「朝鮮戦争の休戦協定が、板門店で調印された(1953年)」と書かれている。 歴史の因果関係としても、1950年6月に始まった朝鮮戦争の最中である1951年9月に、アメリカは日本を西側陣営の拠点とするためサンフランシスコ平和条約と日米安全保障条約(エ:1951年)に調印し、その2年後の1953年7月に朝鮮戦争の休戦協定(ウ:1953年)が調印された。したがって、正しい順序は「エ(1951年)→ ウ(1953年)→ イ(1965年)→ ア(1991年)」となる。

戦争や条約の選択肢を見たときは、単語に飛びつかず、必ず文末が「始まった(開戦)」「終わった(休戦・講和)」「調印された」「脱退した」のどれになっているかを確認する習慣をつけたい。

2. 「ロシア革命(1917年)」と「ソ連成立(1922年)」の5年差(2013年度 後期選抜 大問5 問3)

2013年度後期(3)では、第一次世界大戦前後の出来事として次のア〜エを古い順に並べる問題が出題された。

  • ア:世界平和と国際協調を目的とした国際連盟が設立された。
  • イ:ソビエト社会主義共和国連邦が成立した。
  • ウ:イギリス・フランス・ロシアによる三国協商とよばれる協力関係ができた。
  • エ:オーストリア皇太子夫妻がセルビアの青年に暗殺された。

ウ(1907年:三国協商)→ エ(1914年:サラエボ事件)までは判断しやすいが、後半の「ア(国際連盟設立)」と「イ(ソビエト社会主義共和国連邦成立)」は順序を取り違える可能性がある。

「ロシア革命=1917年(第一次世界大戦中)」という知識と「ソ連成立」を同一視してしまうと、イを1917年と考えて「イ → ア」と逆転させてしまう。 しかし史実では、1917年のロシア革命でレーニンが樹立したのは「ソビエト政府」であり、それに対して日本や欧米列強がシベリア出兵(1918年〜)などの干渉戦争を行った後、1922年末になって初めて「ソビエト社会主義共和国連邦(ソ連)」が成立した(2020年度前期(3)の問題文でも「ソビエト政府が樹立され、1922年にソビエト社会主義共和国連邦(ソ連)が成立した」と明記されている)。

したがって、パリ講和会議の翌年である1920年に設立された国際連盟(ア)が先であり、1922年に成立したソ連(イ)が後となるため、正答は「ウ → エ → ア → イ」である。

本番で再現する「近現代・並べ替え問題」3ステップ解法手順

以上の15年・20試験の分析から、入試本番で近現代史の並べ替え問題に取り組む際は、以下の3ステップに分けて処理することで、期間条件の見落としや年代の取り違えによる失点を減らすことができる。

  1. 【ステップ1】設問形式(完全整序か4選3整序か)と「期間の境界線」に線を引く まず解答欄を見て、4つすべてを並べるのか、3つを選んで並べる(4選3整序)のかを確認する。4選3整序の場合は、略年表や下線部が示す「何年から何年までか(または何という出来事の前・後か)」を問題用紙にメモし、1914年(第一次大戦)・1945年(終戦)・1973年(石油危機)などの境界線から外れている1つの選択肢を最初に消去する。
  2. 【ステップ2】各選択肢の「文末(開始/終結/設立/脱退)」を確認し、時代ブロックを振る 選択肢のキーワードだけで判断せず、文末まで読んで「いつの時点の出来事か(例:国際連盟の『発足[1920]』か『脱退[1933]』か、朝鮮戦争の『開始[1950]』か『休戦協定[1953]』か)」を確認し、各選択肢の横に時代区分(明治前半・日清日露・第一次大戦中・1920年代・1930年代・戦後占領期・高度成長期・冷戦終結期)を書き込む。
  3. 【ステップ3】同じ時代ブロック内の選択肢は「因果関係」と「条約の段階」で順序を確定する 同じ10年間に複数の選択肢が入る場合は、「原因 → 結果」のつながり(例:下関条約→三国干渉→日英同盟→ポーツマス条約→韓国併合、ロシア革命→シベリア出兵・米騒動→ベルサイユ条約→国際連盟→ワシントン会議→ソ連成立、満州事変→満州国・五・一五事件→国際連盟脱退)に照らして前後関係を確定させる。

過去問を復習する際も、単に正解の記号列を確認するだけでなく、「4選3整序で除外された選択肢はいつの出来事か(翌年以降の正答候補)」「なぜその順序になるのかを年号以外の因果関係でも説明できるか」まで確認しておくことが、初見の並べ替え問題で得点する力につながる。

目次

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この記事を書いた人

習志野受験研究所 所長/新・個別指導アシスト習志野校 塾長

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