【2022年度】二松学舎柏高校・英語前期Ⅱ対策:長文・対話・文法を貫く「構造決定」の型と全問解説

※本記事は、客観的分析のため『だ・である調』で統一しています。

二松学舎大学附属柏高校の英語(2022年度・前期Ⅱ)の攻略は、「単語を順番につなぎ合わせて、ストーリーのあらすじを何となく想像すること」ではない。長文や対話文という読みやすい形式の奥に仕掛けられた、「構文ブロックの構築」「名詞の単複と動詞の呼応」「本文内の算術処理」といった客観的なシグナルを見抜き、正しい構造へ組み立てる処理手順の実践である。

もちろん、基本的な英単語の意味や時制の基礎知識は不可欠だ。しかし、用語や公式をただ暗記するだけでは不十分であり、文脈のノイズに惑わされず、シグナルとなる単語から瞬時にルールを発動させる処理手順が求められる。

現在確認できる市販の過去問集では、この2022年度・前期Ⅱについて解答のみの掲載にとどまり、設問ごとの詳しい解説は用意されていない。だからこそ、本記事では単なる分析に留まらず、「なぜその答えになるのか」を、構文整序・指示語処理・本文内の数値計算・文法シグナルの観点から全問解説する。記事の末尾に「大問1〜4の全問完全解説」を収録しているため、過去問演習後に自分の解き方がどこでズレたのかを確認する材料として活用していただきたい。

当研究所が2022年度・前期Ⅱの全大問(大問1〜4)を分析した結果、同校が受験生に求めている処理には、かなりはっきりした共通構造が見えてくる。以下にその統合データを示す。

徹底分析リスト(2022年度 前期Ⅱ 統合データ)

大問ジャンルテーマ解法の型(手順)設問の決定的特徴
1長文読解ビートルズの歴史論理マーカー追跡と構造決定It is ~ for ~ to構文、not only A but also B、発音法則
2長文読解(伝記・歴史)ローザ・パークス情報照合と算術演算の適用so ~ that構文、年齢の引き算(1955-1913)、不定詞の副詞的用法
3対話文スペインからの来客定型表現のロックと指示語の特定I’d like to ~の整序、疑問詞(Why/How)、代名詞(them)の指す内容
4単文空所補充文法・語法シグナルからのルール適用look forward to -ing、不定代名詞(one)、関係代名詞の単複呼応
目次

二松学舎大学附属柏高校・英語(2022年前期Ⅱ)の客観的分析

同校の英語は、長文や対話文においても、純粋な内容把握だけでなく、文法・語法・構文処理を正確に行えるかを細かく確認する構成となっている。「何となく読めれば解けるだろう」という感覚的な読み方では、整序問題や文法問題で確実に失点する。

【関係代名詞と主語動詞の呼応】修飾語に惑わされない「属性判定」の手順

大問4(単文空所補充)は、文脈に頼れない純粋なシグナル適用のテストである。当校は特に「主語と動詞の単複呼応」を厳格に問うてくる。

大問4の問44 The men ( ) in the company are all kind. では、関係代名詞を選ぶだけでなく、その直後の動詞の形まで正確に決定しなければならない。

先行詞が「人」であるため who を選ぶのは容易だが、罠はその次にある。先行詞 menman の「複数形」である。したがって、三人称単数の s がついた works を選んでしまうと失点に直結する。複数主語に対応する who work が論理的な正解となる。

  • 決定ルール:関係代名詞の直後の動詞を選ぶ際は、必ず先行詞を四角で囲み、「単数か複数か(不規則複数形に注意)」を判定してから動詞の形をロックせよ

【構文の整序(It-for-to / so-that)】文の骨格から逆算する「構造決定」の手順

長文中に突如として現れる整序英作文は、直訳から単語を並べようとすると致命的なミスを招く。出題者は、構文の「確実なブロック」を先に作れるかを問うている。

大問1の問10(彼らが自由な時間を楽しむことは、難しかった)では、「It is ~ for 人 to V」の構文を用いる。

  1. It was difficult という主節の骨格を構築する。
  2. 意味上の主語 for them を繋げる。
  3. 真の主語となる不定詞 to enjoy their free time を配置し、It was difficult for them to enjoy their free time. を完成させる。

大問2の問23(なぜなら、彼女はとても疲れていたので、立ち上がりたくなかったからです)では、「とても〜なので…だ」を表す so ~ that ... 構文の枠組みを起動する。

  1. because she was so tired までブロックを作る。
  2. その結果を表す that she didn't want to... を繋ぎ合わせる。
  • 決定ルール:並べ替え問題は日本語訳から入らず、「It is ~ for ~ to」や「so ~ that …」などの確実なブロックを余白に作り、そこから残りのパーツを当てはめよ

【本文内の算術処理】歴史的年号から年齢を導き出す「情報演算」の手順

二松学舎大学附属柏高校の英語長文では、英語のテスト枠組みの中で「算数(引き算)」を要求されることがある。

大問2の問27は、ローザ・パークスが警察に捕まった時の「年齢」を問う問題である。本文中には彼女の年齢を直接示す記述はない。

しかし、本文の最終段落に「彼女は2005年に92歳で亡くなった(She died when she was 92 years old in 2005)」とある。ここから、彼女が生まれた年が「2005 – 92 = 1913年」であると逆算できる。

そして、彼女がバスで逮捕された事件(One day in 1955...)は1955年の出来事である。したがって、「1955 – 1913 = 42」。彼女が逮捕されたのは「42歳」の時であると論理的に確定する。

  • 決定ルール:長文問題において「特定の年号」や「経過期間」が複数登場した場合、設問で「年齢」や「時期」の計算(引き算・足し算)が求められると予測し、数値をメモせよ

結論:英語の読解と文法処理は「才能ではなく作業である」

二松学舎大学附属柏高校の前期Ⅱで点数を落とす原因は、「英語のセンスがないから」ではない。文の構造を見抜く手順の省略や、関係代名詞の先行詞の単複確認、さらには本文内の数値を計算する手間の省略が、失点に直結している。

今日から以下の客観的なアクションを徹底し、確実な得点源へと変えよ。

  1. 整序問題は構文の枠組みを先につくる:日本語訳に合わせて単語を並べるのではなく、「It is ~ for ~ to」や「so ~ that …」などの強固な文法ブロックを先に見抜き、その枠組みに合わせて残りの単語を当てはめる。
  2. 関係代名詞や動名詞のシグナルへの反応速度を上げる:先行詞が menpeople なら複数形として動詞を処理する。また、look forward to の後ろは必ず動名詞(-ing)にするなど、見た瞬間に答えの方向性が決まる「シグナル」を知識としてストックしておく。
  3. 長文内の「数字・年号」は必ず印をつけて計算を疑う:出来事の年号、人物の享年などが本文に出た場合、設問で年齢や経過期間を問われる可能性が高い。感覚で読まず、客観的な演算処理を行うこと。

【付録】2022年度 前期Ⅱ:全問完全解説

過去問演習を行った受験生は、自身の解答プロセスが以下の解説(ロジック)と一致しているか確認してほしい。

大問1:長文読解(ビートルズの歴史)

  • 問1 (あ): ③ (to) / listen to ~(〜を聴く)の定型表現。
  • 問2 (い): ③ (met) / 1956年の過去の出来事であるため、meet の過去形 met が入る。
  • 問3 (う): ② (made) / make O C(OをCにする)の第5文型。この曲がビートルズをアメリカで人気にした。
  • 問4 (A): ② (more popular) / 後ろに than があるため比較級 more popular
  • 問5 (B): ① (popular) / became as popular as Elvis Presley の原級比較。前後に as があるため原級 popular を入れる。
  • 問6 (C): ③ (most popular) / in the world という範囲指定があるため、最上級 the most popular が入る。
  • 問7: ② (飛ぶように売れた) / sold like hot cakes は「飛ぶように売れる」の有名な定型表現。
  • 問8: ③ (1番目: not, 2番目: but) / not only A but also B(AだけでなくBも)の定型表現。イギリスだけでなくアメリカでもスーパースターになった。
  • 問9: ② (1番目: too, 2番目: to) / too ~ to V(あまりに〜すぎてVできない)。難しすぎてコンサートで演奏できなかった。
  • 問10: ② (4番目: for, 8番目: their) / (It) (was) (difficult) (for) (them) (to) (enjoy) (their) (free time). 「It is ~ for 人 to V」の構文。
  • 問11: ① (called) / 名詞 a song を後ろから修飾する過去分詞 called(〜と呼ばれる)。
  • 問12: ③(「今のぼくらは神様より人気がある。」と発言してしまったこと。) / 下線部⑥ That は、直前のジョン・レノンの発言 John said that the Beatles was more popular than God. を指している。曲名のLSD説ではなく、「神より人気がある」という発言がアメリカで大きな問題になったという文脈を正確に読む問題。
  • 問13: ① (合う) / ビートルズはアメリカで成功した最初のイギリスのグループであると本文に記載されている。
  • 問14: ② (合わない) / ジョンの死後、ポールは手紙を送り「愛をこめて、君の友人ポールより」と述べており、彼らが友人ではなかったというのは誤り。
  • 問15: ④ (thing) / than, together, otherth は /ð/(有声音)だが、thingth は /θ/(無声音)であるため、これだけ発音が異なる。
  • 問16: ① (example) / baby, became, samea は /ei/(二重母音)だが、examplea は /æ/ に近い音であるため、これだけ発音が異なる。

大問2:長文読解(伝記・歴史:ローザ・パークス)

  • 問17: ② (60年前のアメリカの状況) / How were they different?they は直前の文の things(事態、状況)を指す。
  • 問18: ③ (African-Americans had to use the seats in the back of the bus) / 前半の席が白人用であり、アフリカ系アメリカ人はバスの後部座席を使わなければならなかったという歴史的事実の文脈。
  • 問19: ③ (used) / 全ての後部座席が彼らによって「使われていた(were used)」という受動態。
  • 問20: ② (standing) / 白人の人々のうち、「立っている(standing)」人に席を譲れという現在分詞の後置修飾。
  • 問21: ④ (right) / 彼女は自分が「正しい(right)」と信じていた。なぜならその席はアフリカ系アメリカ人のためのものでもあったから。
  • 問22: ① (should) / なぜ立たないのかと聞かれ、彼女は「そうするべき(should)だとは思わない」と答えた。
  • 問23: ① (3番目: so, 6番目: she) / because she (was) (so) (tired) (that) (she) (didn't) want to... 「so ~ that …」構文の整序。
  • 問24: ② (2) / 「このようにして、アフリカ系アメリカ人はより良い生活のために闘い始めた」という文は、ボイコット運動が成功し、バス会社側が大きな損失を受けたという記述の後[2]が最も適切。
  • 問25: ③ (The police got on the bus, and they took her out of the bus.) / the news(そのニュース)は、直前の段落の最後にある「彼女が逮捕されバスから降ろされた」という出来事を指す。
  • 問26: ② (I studied hard to pass the test.) / 下線部⑤の to make は「〜するために」という目的を表す不定詞の副詞的用法。②の to pass(合格するために)と用法が一致する。
  • 問27: ③ (42) / 本文から、ローザは2005年に92歳で死亡(2005 – 92 = 1913年生まれ)。逮捕されたのは1955年。1955 – 1913 = 42歳。
  • 問28: ② (After) / ローザが席に座った「後(After)」に、多くの白人がバスに乗ってきた。
  • 問29: ② (合わない) / 多くのアフリカ系アメリカ人がニュースを知って「より良い生活のために働かなかった(didn’t work)」のではなく、ボイコット運動(闘い)を始めた。
  • 問30: ① (合う) / 彼女の行動は、アフリカ系アメリカ人の生活を大きく変える助けとなった。

大問3:対話文(スペインからの来客)

  • 問31: ③ (coming) / My sister is ( coming ) to visit me... 「〜する予定だ」という近接未来を表す現在進行形。
  • 問32: ④ (Yes, it is) / Is this her first visit to Japan? に対する肯定の返答。
  • 問33: ② (All right) / Mitsuoの Can anyone else come with me? という申し出の直前に入る。Emmaの How about ten o'clock next Thursday?(来週木曜の10時はどう?)に対する承諾の返答「わかった(All right)」。
  • 問34: ③ (彼女はあなたと同い年です。) / 下線部② She's your age. の直訳。
  • 問35: ⑤ (Why) / ( Why ) don't you come over and meet her? 「家に来て彼女に会わない?」という提案・勧誘表現。
  • 問36: ③ (How) / ( How ) nice! 「なんて素敵なの!」という感嘆文。
  • 問37: ④ (about) / How ( about ) ten o'clock... 「10時はどうですか?」という提案。
  • 問38: ③ (in) / interested ( in ) Japanese history。「〜に興味がある」という熟語。
  • 問39: ① (at) / I'll see you ( at ) ten... 「10時に」という時刻を表す前置詞。
  • 問40: ④ (3番目: to, 5番目: something) / I'd (like) (to) (buy) (something) (for) (her). 「彼女のために何か買いたい」という would like to V の構文。
  • 問41: ① (Japanese history and foods) / Mitsuoが English book about them(それらに関する英語の本)を買うと言っている。them は直前でEmmaの妹が興味を持っていると述べられた「日本の歴史と食べ物」を指す。

大問4:単文空所補充(文法・語法)

  • 問42: ② (to hearing) / look forward to -ing(〜を楽しみに待つ)という絶対的な定型表現。to は前置詞なので動名詞が必要。
  • 問43: ① (one) / 「特定の鉛筆(it)」ではなく、「どれでもいいから不特定の1本の鉛筆」を指すため、不定代名詞の one を使用する。
  • 問44: ③ (who work) / 先行詞 The men(人・複数形)を修飾する関係代名詞。複数主語に対応するため works ではなく work を選ぶ。
  • 問45: ② (from) / be made from ~(〜から作られる)。バターが牛乳から作られるという、見た目が変化する(化学的変化)原料を表す前置詞 from
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この記事を書いた人

習志野受験研究所 所長/新・個別指導アシスト習志野校 塾長

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