※本記事は、客観的分析のため『だ・である調』で統一しています。
【2023年度】二松学舎柏高校・英語前期Ⅱ対策:構文整序と後置修飾を貫く「構造決定」の型と全問解説
二松学舎大学附属柏高校の英語(2023年度・前期Ⅱ)の攻略は、「単語を順番につなぎ合わせて、ストーリーのあらすじを何となく想像すること」ではない。長文や対話文という読みやすい形式の奥に仕掛けられた、「間接疑問の語順」「分詞による後置修飾」「構文ブロックの構築」といった文法シグナルを見抜き、正しい構造へ組み立てる客観的な処理手順の実践である。
もちろん、基本的な英単語の意味や時制の基礎知識は不可欠だ。しかし、用語や公式をただ暗記するだけでは不十分であり、文脈のノイズに惑わされず、シグナルとなる単語から瞬時にルールを発動させる処理手順が求められる。
現在確認できる市販の過去問集では、この2023年度・前期Ⅱについて解答のみの掲載にとどまり、設問ごとの詳しい解説は用意されていない。だからこそ、本記事では単なる分析に留まらず、「なぜその答えになるのか」を、構文・後置修飾・文法シグナルの観点から全問解説する。記事の末尾に「大問1〜4の全問完全解説」を収録しているため、過去問演習後に自分の解答プロセスがどこでズレたのかを確認する材料として活用していただきたい。
当研究所が2023年度・前期Ⅱの全大問(大問1〜4)を分析した結果、同校が受験生に求めている処理には、かなりはっきりした共通構造が見えてくる。以下にその統合データを示す。
徹底分析リスト(2023年度 前期Ⅱ 統合データ)
| 大問 | ジャンル | テーマ | 解法の型(手順) | 設問の決定的特徴 |
| 1 | 長文読解 | eスポーツ | 論理マーカー追跡と構造決定 | so-that構文、第5文型(make O C)の整序、グラフ情報の照合 |
| 2 | 長文読解 | ライト兄弟 | 修飾ブロックの構築とルール適用 | be based onの整序、資料への品詞変換・照合 |
| 3 | 対話文 | コンサート | 定型表現のロックと文脈照合 | something hot to drinkの語順、代名詞と年齢の照合 |
| 4 | 単文空所補充 | 文法・語法 | シグナルからのルール適用 | 助動詞の受動態、間接疑問の語順、過去分詞の後置修飾 |
二松学舎大学附属柏高校・英語(2023年前期Ⅱ)の客観的分析
同校の英語は、長文や対話文においても、純粋な内容把握だけでなく、文の修飾関係(どこからどこまでが塊か)を正確に見抜けるかを細かく確認する構成となっている。「何となく読めれば解けるだろう」という感覚的な読み方では、整序問題や文法問題で確実に失点する。
【間接疑問と後置修飾】修飾の塊を切り出す「ブロック構築」の手順
大問4(単文空所補充)は、文の骨格を正確に捉え、そこに修飾のブロックをはめ込む能力を問うている。
例えば、大問4の問43(Emily told me…)では、目的語として「彼が誰なのか」という間接疑問の塊を置く。間接疑問文は必ず「疑問詞+S+V」の平叙文語順になるという絶対ルールに従い、who he was を確定させる。
また、大問4の問44(mascot characters…)では、名詞 characters と動詞 call の関係が「〜と呼ばれる」という受動関係であることを見抜き、過去分詞 called を用いて名詞を後ろから修飾(後置修飾)させる。
- 決定ルール:間接疑問や後置修飾を見つけたら、まずはその塊(チャンク)をカッコでくくり、文の骨格(主語と動詞)と切り離して処理せよ
【構文の整序(so-that / be based on)】文の骨格から逆算する「構造決定」の手順
長文中に突如として現れる整序英作文は、直訳から単語を並べようとすると致命的なミスを招く。出題者は、構文の「確実なブロック」を先に作れるかを問うている。
大問1の問5では、「eスポーツは大変人気があるので、将来、オリンピック種目の一つになるかもしれません」という文を作る。
- 「とても〜なので…だ」を表す
so ~ that ...構文の枠組みを起動する。 esports is so popular that it may become...を構築する。- さらに「〜の1つ」を表す
one ofを組み合わせ、(so) popular (that) it (may) (become) (one of) the Olympic eventsを完成させる。
大問2の問27(そのおもちゃは美しいデザインに基づいていた)では、熟語 be based on(〜に基づいている)と受動態の動作主を表す by(〜による)を組み合わせる。
The toy was also (based) (on) a beautiful design (by) a famous French designer. となる。
- 決定ルール:並べ替え問題は日本語訳から入らず、「so ~ that …」や「be based on」などの確実なブロックを余白に作り、そこから残りのパーツを当てはめよ
【資料照合とパラフレーズ】事実関係を保つ「品詞変換」の手順
この年度は、ただ読解するだけでなく、言い換え(パラフレーズ)の能力が強く問われている。
大問2の問30〜33では、本文の内容をそのまま抜き出すのではなく、資料の形式に合わせて言い換える処理が求められる。たとえば、本文の loved the toy を資料では loved it と受けたり、sold bicycles of their own design を designed に変換したりするように、事実関係を保ったまま品詞や表現を変える力が問われている。
また、大問4の問42では、My room isn't as large as my brother's.(私の部屋は兄の部屋ほど大きくない)という原級の否定文を比較級に書き換える。意味を論理的に反転させ、My room is ( smaller ) than my brother's. とする。
- 決定ルール:資料問題や書き換え問題では、本文の単語を探すだけでなく、主語や動詞の形(品詞)がどう変化しているかを客観的に照合せよ
結論:英語の読解と文法処理は「才能ではなく作業である」
二松学舎大学附属柏高校の前期Ⅱで点数を落とす原因は、「英語のセンスがないから」ではない。文の構造を見抜く手順の省略や、間接疑問の語順などの基本ルールを曖昧にしたまま処理する雑なアプローチが、失点に直結している。
今日から以下の客観的なアクションを徹底し、確実な得点源へと変えよ。
- 間接疑問や後置修飾は「塊(チャンク)」としてカッコでくくる:長文や文法問題を解く際、名詞を修飾する分詞や関係代名詞、疑問詞が導く名詞節は物理的にカッコでくくり、文の骨格を見失わないようにする。
- 整序問題は構文の枠組みを先につくる:日本語訳に合わせて単語を並べるのではなく、「so ~ that …」や「make O C」などの強固な文法ブロックを先に見抜き、その枠組みに合わせて残りの単語を当てはめる。
- 書き換えのシグナルへの反応速度を上げる:原級の否定文を見たら比較級の反転、助動詞+受動態など、見た瞬間に答えの方向性が決まる「シグナル」を知識としてストックしておく。
【付録】2023年度 前期Ⅱ:全問完全解説
過去問演習を行った受験生は、自身の解答プロセスが以下の解説(ロジック)と一致しているか確認してほしい。
大問1:長文読解(eスポーツ)
- 問1 (あ): ② (watching) /
enjoy -ing(〜することを楽しむ)。動名詞を目的語にとる動詞の基本ルール。 - 問2 (い): ③ (familiar) /
be familiar with ~(〜に精通している、親しんでいる)のイディオム。 - 問3 (う): ① (For example) / eスポーツがコミュニケーション能力を育むという主張に対し、「例えば(For example)、他のスポーツのように…」と具体例を挙げているため。
- 問4 (え): ④ (teamwork) / 「良いコミュニケーションと( )の重要性を学ぶ」という文脈。他のスポーツと同様に得られるものとして
teamworkが最も適切。 - 問5: ④ (3番目: popular, 6番目: one of) /
esports is (so) (popular) (that) it (may) (become) (one of) the Olympic events。「so ~ that …」と「one of」の組み合わせ。 - 問6: ③ (3番目: esports, 6番目: them) /
giving students (a chance) (to enjoy) (esports) (in school) (will make) (them) (happy).第4文型(give O1 O2)と第5文型(make O C)の複合整序。 - 問7: ③ ((A)Basketball (B)Esports (C)Tennis (D)Baseball) / 本文から「テニスと同じくらい(C=テニス)」「バスケより少なく、野球より多い(A>B>D)」と論理的に特定する。
- 問8: ④ (esports player is one of the most popular jobs…) / 「調査によると、eスポーツ選手は若者が将来なりたい最も人気のある職業の1つである」という内容が、直後の「彼らに機会を与えることは彼らを幸せにする」に繋がる。
- 問9: ① (the experience will help students grow as a person.) / eスポーツでの経験が、生徒の人間としての成長を助けるという肯定的な意見のまとめ。
- 問10: ② (the school should set time limits for playing video games.) / ゲーム依存症を防ぐため、「学校はプレイ時間の制限を設けるべきだ」という医師の意見。
- 問11: ① (Why do you need to play video games at school?) / 保護者が「eスポーツはただのゲームだ」と否定的に捉え、「なぜ学校でゲームをする必要があるのか?」と言うことが予測される。
- 問12: ③ (Nicolas Kane) / 「視力が悪くなるかもしれない」という健康面の懸念は、医師であるNicolas Kaneの主張に合致する。
- 問13: ① (Hiroto Takada) / 「スポーツが得意である必要はない(強い体や身体訓練は不要)」と述べているのは、eスポーツ選手であるHiroto Takada。
- 問14: ② (合わない) / 「日本は他の国よりも早くeスポーツが人気になった」は誤り。本文では2010年頃まであまり人気がなかったとある。
- 問15: ② (合わない) / 「日本の多くの大学生が留学のための奨学金を得ている」という記述はない(アメリカの大学がeスポーツの奨学金を出しているという記述のみ)。
- 問16: ① (合う) / eスポーツは安全なスポーツであり、プレイ中にケガをする心配は少ないと記載されている。
- 問17: ① (合う) / eスポーツ部の設立には費用がかかるため、学校は低コストで設立する方法を見つける必要がある。
- 問18: ② (合わない) / 記事で意見を述べた4人のうち3人が設立に反対しているわけではない(明確な反対は医師の1名のみ)。
大問2:長文読解(ライト兄弟)
- 問19: ③ (surprising) / 下線部
finallyの発音 /l/(エル)。surprisingの /r/、millionの /l/、untilの /l/ などを区別する問題(正解の③以外は/l/を含む)。 - 問20: ① (throw) / 下線部
thinkの発音 /θ/(無声音)。throwと一致。他は有声音の /ð/。 - 問21: ④ (watched) / 下線部
helpedの発音 /t/。watchedと一致。 - 問22: ① (flew) / 前の文の動詞
built(過去形)と等位接続詞andで結ばれているため、過去形flewを選ぶ。 - 問23: ④ (to have) /
be pleased to V(〜して嬉しい)。感情の原因を表す不定詞。 - 問24: ③ (to start) /
decide to V(〜することを決める)。不定詞の名詞的用法。 - 問25: ③ (輪ゴムがプロペラを回転させる動力とされていた。) /
powered by a rubber band to rotate its bladesの直訳。 - 問26: ③ (当時、科学者達によれば「機械」は決して空中を飛ぶことはない、とされていた。) /
In those days, scientists said that 'a machine' never flies in the air.の直訳。 - 問27: ① (3番目: on, 5番目: by) /
was also (based) (on) a beautiful design (by)。be based onと動作主のby。 - 問28: ② (by) /
by oneself(自分自身で)の代名詞の形by themselves(彼ら自身で)。 - 問29: ④ (for) /
be famous for ~(〜で有名である)のイディオム。 - 問30: ⑤ (loved) / ヘリコプターのおもちゃを与えられ、彼らは「それを愛した(気に入った)」。
- 問31: ③ (newspaper) / 彼らが始めたのは新聞社(
newspaper company)。 - 問32: ④ (designed) / 見事に「デザインされた(designed)」自転車を販売した。
- 問33: ① (birds) / リリエンタール氏のデータと「鳥(birds)」の飛び方を研究した。
大問3:対話文(コンサート)
- 問34: ① (I want something hot to drink, mom.) / 寒い日なので「何か温かい飲み物が欲しい」という
something hot to drinkの語順を作る。somethingのような-thing系の語は、形容詞hotが後ろから修飾する。 - 問35: ① (lose) /
lose weight(体重を減らす、ダイエットする)という決まった単語の組み合わせ(連語)。 - 問36: ③ (What kind of concert?) / 「渋谷で?」に続く質問として、「どんなコンサート?」が自然。
- 問37: ② (quickly) / 「何を言っているか理解できない」理由として、歌うのが「早すぎる(too quickly)」が合致。
- 問38: ② (night) /
too late at night(夜遅すぎる)という時間のシグナル。 - 問39: ④ (You went to rock concerts when you were 14.) / おばあちゃんが「あなたも14歳の時にロックコンサートに行っていたじゃない」と母親を諭す文脈。
- 問40: ① (I’m not a little kid anymore.) / 「私はもう小さな子供じゃないわ」という娘の反論。
大問4:単文空所補充(文法・語法)
- 問41: ② (can be seen) / 星は「見られる」ので、助動詞
can+ 受動態be seen。 - 問42: ④ (smaller) /
not as large as(〜ほど大きくない)=「より小さい(smaller)」。 - 問43: ① (who he was) / 間接疑問文の語順は「疑問詞+S+V」。
- 問44: ④ (called) / 名詞
charactersを後置修飾する過去分詞called(〜と呼ばれる)。 - 問45: ③ (which) / 先行詞が
shops(人以外)で、主語の働きをする関係代名詞whichを選ぶ。

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