※本記事は、客観的分析のため『だ・である調』で統一しています。
【2021〜2025年・全10回分析】二松学舎柏高校・英語大問1を徹底分析:長文内の文法・語法を解く「構造決定」の型
二松学舎大学附属柏高校の英語・大問1の攻略は、「英単語を拾い集めて、長文のあらすじをなんとなく掴むこと」だけでは不十分である。
もちろん、be famous for や look forward to -ing といった基本熟語、関係代名詞や形式主語の構造理解は不可欠だ。しかし、英単語の日本語訳を覚えるだけでは、同校が大問1で繰り返し問う空所補充・整序英作文・用法識別には対応しにくい。必要なのは、動詞の語法、前置詞の働き、受動態や並列構造を手がかりに、英文のパーツを文法的に組み立てる「構造決定」の手順である。
当研究所が2021〜2025年の5年分・全10回の入試データを徹底的に解剖した結果、受験生が失点しやすいポイントは、かなり明確な型に収束していることが分かった。以下にその統合データを示す。
徹底分析リスト(5カ年・全10回統合データ)
| 年度 | ジャンル | テーマ | 解法の型(手順) | 設問の決定的特徴 |
| 2025(前期Ⅰ/Ⅱ) | 物語/説明文 | 科学展 / 盲導犬育成 | 局所的構文解析 / ロジカル・トラッキング | 第4文型の受動態、関係代名詞の省略、動名詞の必然性 |
| 2024(前期Ⅰ/Ⅱ) | スピーチ/説明文 | デンマーク旅行 / 身体言語 | 局所的構文解析 / ストリクト・マッピング | 第5文型の受動態、動名詞の慣用表現、A to Bの語法 |
| 2023(前期Ⅰ/Ⅱ) | Eメール/説明文 | フィットネス / eスポーツ | 時制・相の厳密制御 / 無生物主語の解体 | so ~ that構文、現在完了の用法、分詞の形容詞的用法 |
| 2022(前期Ⅰ/Ⅱ) | プレゼン/説明文 | 夏目漱石 / ビートルズ | 構文の型認識 / パラレル・トラッキング | 形式主語、not only A but also B、too ~ to V、第5文型 |
| 2021(前期Ⅰ) | 説明文+対話 | 再生エネと環境 | イディオム・前置詞の極性ロック | 形式主語構文、not only A but also B、不定詞・動名詞の語法 |
| 2021(前期Ⅱ) | 説明文 | NYの摩天楼 | 品詞機能と配置のロック | 前置詞の網羅的知識、前置詞/動詞の識別、最上級の構造決定 |
二松学舎大学附属柏高校・英語「大問1長文総合」の客観的分析
同校の大問1では、長文の皮を被りながらも、文法・語法・構文処理の正確さを重視する出題傾向がかなり一貫して見られる。長文の大まかなあらすじだけで合否が決まるわけではない。むしろ、空所や整序の周辺で、文法・語法・構文をどこまで正確に処理できるかが大きな差になる。
【第4文型・第5文型の受動態】主語と目的語をスライドさせる「強制転換」の型
整序問題(並べ替え)において大きな失点を誘発しやすいのが、この複雑な受動態である。
例えば、2025年(前期Ⅰ)の were given a gold medal や、2024年(前期Ⅱ)の is called body language といった構造だ。受験生は「受動態の直後には名詞は来ない」という浅い知識で誤答しやすい。
- 決定ルール:受動態の直後に残る「余剰パーツ」を予測せよ受動態を見たら、必ず元の能動態の構造(
give + 人 + 物、call + O + C)を頭の中で復元すること。能動態の目的語(O)が一つ主語に移動しても、もう一つの目的語(物)や補語(C)は、受動態の動詞の直後にそのまま残る。これを機械的なパズルとして当てはめること。
【不定詞と動名詞の語法】文脈だけに頼らず動詞の要求に従う「配置の確定」
空所補充問題では、「なんとなく自然な日本語訳」で選択肢を選ぶ行為はリスクが高い。
2024年(前期Ⅰ)の look forward to -ing や、2022年(前期Ⅰ)の finish -ing、あるいは前置詞の直後に動詞を置くケース(2021年 Thank you for sharing)など、出題者は「ルールの徹底度」を冷静に測っている。
- 決定ルール:前置詞の直後に動詞を置く場合は「-ing(動名詞)」で確定させよ空所の直前にある語の性質を確認すること。
finishやenjoyの後ろ、あるいはaboutやforなどの前置詞の後ろに動詞を置く必要があると判断した瞬間、文脈だけに頼ることをやめ、機械的に-ingの形を選択して配置を確定させる。
【形式主語と等位接続詞】論理的な空きスペースを埋める「並列の照合」手順
2022年(前期Ⅰ・Ⅱ)、2021年(前期Ⅰ)と連続して出題されている It is ~ to V(形式主語構文)や、not only A but also B のような相関語句は、英語特有の論理構造を問う定番の問題である。
- 決定ルール:等位接続詞を見つけたら、天秤の両皿を「同じ品詞・形」で揃えよ
not onlyやand、butなどの接続詞を見つけたら、直後の品詞(例えば「前置詞句」や「不定詞」など)を確認すること。そして、その後に続く要素も文法上まったく同じ働きをする形(並列)で配置しなければならない。フィーリングで単語を並べるのではなく、構造上の空きスペースに正しい形のブロックをはめ込む手順を徹底すること。
結論:英語の構文把握は「才能ではなく作業である」
長文総合問題で多くの受験生が失点しているのは、決して「単語力が足りないから」でも「読むスピードが遅いから」でもない。SVOCを決定づけ、前置詞の機能を理解し、文法というルールに従ってパーツを組み立てる「客観的な構造把握の手順」が手薄になっているからである。
自己流の用語・公式暗記(単語の日本語訳だけを丸暗記する勉強)だけでは、出題者が仕組んだ構造的意図や、文法要素の不足に気づきにくく、本番の整序問題等で確実に点数を落とすことになる。
今日から以下の客観的なアクションを徹底し、確実な得点源へと変えよ。
- フィーリング和訳からの脱却とSVOCの徹底:長文を読む際、適当な日本語を繋ぎ合わせる習慣を見直し、主語(S)、動詞(V)、目的語(O)、補語(C)を機械的に振る作業を毎回の演習で実行する。
- 動詞の語法(後ろの形)をセットで記憶する:英単語を覚える際、「意味」だけでなく、「後ろに不定詞を取るのか、動名詞を取るのか、それともA to Bのような形を取るのか」という配置ルールを必ずセットで暗記する。
- 整序問題は「確実なパーツ」から組み上げる:並べ替え問題は、いきなり文頭から作ろうとしないこと。「前置詞+名詞」「他動詞+目的語」「to+動詞の原形」といった、文法的に絶対に切り離せない小さなブロックを先に作り、残りのパーツで全体を構成する手順を習慣化する。

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