【2021〜2025年】二松学舎柏高校・英語大問3対策:対話文に潜む「省略復元と情報照合」の型

※本記事は、客観的分析のため『だ・である調』で統一しています。

二松学舎大学附属柏高校の英語・大問3(対話文)の攻略は、「登場人物の気持ちを想像しながら、日常会話のノリで解く」ことではない。対話という読みやすい形式の奥にある、「定型応答の判断」「省略された動詞句の復元」「図表・地図・数値情報の照合」という客観的な処理手順の実践である。

もちろん、基本的な英単語の意味や、疑問詞(When, How longなど)、助動詞といった基礎知識は不可欠だ。しかし、単語や用語を覚えるだけでは不十分であり、会話文特有の「省略」を厳密に復元し、路線図やグラフのデータを本文の数値と掛け合わせるような「情報処理の型」が求められる。

当研究所が過去5年分(前期Ⅰ・前期Ⅱの計10回)の入試データを分析した結果、大問3で受験生が失点しやすい場面には、一定の共通構造が見えてくる。以下にその統合データを示す。

徹底分析リスト(5カ年・計10回統合データ)

年度ジャンルテーマ解法の型(手順)設問の決定的特徴
2025(前期Ⅰ)対話文英語学習の悩み対話の流れの追跡と書き換え応答の定型表現、付加疑問文、as well asの書換構造
2025(前期Ⅱ)対話文駅での落とし物前置詞の固定と省略の復元前置詞の網羅的知識、動名詞の整序、代動詞による省略
2024(前期Ⅰ)対話文(図表)キャッシュレス視覚データとの統合と照合グラフの言語化、現在分詞の修飾、条件分岐による特定
2024(前期Ⅱ)対話文漱石の作品と歴史代動詞・省略の物理的復元最上級の整序、代動詞(did)の射程、固有名詞の推測
2023(前期Ⅰ)対話文(図表)宇宙飛行士の予定図表と本文の算術処理図表の逆算(24時間からの減算)、名詞節の呼応、句動詞
2023(前期Ⅱ)対話文(地図)観光客への道案内状況に基づくルート確認運賃の乗算処理(人数×単価)、hope(that)SVの整序
2022(前期Ⅰ)対話文祖父の古い写真疑問詞と代名詞の論理的確定疑問詞(When)の逆算、副詞(easily)の推測、one of theの整序
2022(前期Ⅱ)対話文辞書の紛失文脈推論と慣用構文の組み立て現在完了進行形との呼応、No wonder SVの整序
2021(前期Ⅰ)対話文睡眠不足と早起き因果関係の確認と語の塊の構築疑問詞+to不定詞、過去進行形と前置詞、理由の抽出
2021(前期Ⅱ)対話文スピーチの助言定型表現の固定と行動抽出助動詞の代用表現(be able to)、前置詞の語法、形式主語
目次

二松学舎大学附属柏高校・英語「大問3(対話文・図表・整序)」の客観的分析

同校の大問3は、一見すると中学生向けの易しい日常会話のように見える。しかし、実際には「文法的な省略をどこまで正確に追えるか」「英語を読みながら、図表の数値計算をミスなく行えるか」を見ている問題である。会話の雰囲気に流されると、思わぬところで失点しやすい構成になっている。

【省略・代動詞の特定】直前の文から物理的に補う「復元」手順

対話文では、言葉の繰り返しを避けるために「Me, too.」や「he did」といった短い表現(代名詞・代動詞)や省略が頻繁に使われる。出題者は、この「省略された本来の形」を問うことで、受験生が文脈を文法的に正確に追えているかを確認する。

2024年(前期Ⅱ)の he did が何を指すかを問う問題や、2025年(前期Ⅱ)の I don't ( ) の空所を補う問題が典型である。

  • 決定ルール:代動詞(do/did)や省略を見つけたら、直前の文の動詞句を四角で囲み、時制を合わせて代入せよ「彼はそうした(he did)」と訳して満足してはいけない。「そうした」とは具体的に何か。直前の文にさかのぼり、対象となる動詞句(例:take Analects of Confucius class)を物理的に四角で囲む。そして、did に合わせて過去形(took)に変換し、パズルのようにはめ込む作業を徹底すること。

【図表・地図の読み取りと算術】人数や時間を掛け合わせる「情報計算」の型

二松学舎柏高校の大問3では、英語のテスト枠組みの中で「算数(引き算や掛け算)」を要求されることがある。

2023年(前期Ⅱ)の路線図案内では、新宿から上野までの運賃(200円)を単に読み取るだけでなく、本文中にある「妻と息子と一緒(=3人)」という情報と掛け合わせ、合計600円を導き出す必要があった。また、2023年(前期Ⅰ)では、24時間からグラフにある各活動時間を引き算して、自由時間の長さを算出させている。

  • 決定ルール:図表の「運賃」や「時間」を問われたら、そのまま答える前に必ず本文中の「人数」や「前提となる全体時間」を探して計算せよグラフや表の数値をそのまま選べばよいとは限らない。大問3では、本文中の人数・時間・条件と組み合わせて、掛け算や引き算を行う必要がある場合がある。必ず「1日は24時間」のような明らかな前提や、本文中に示された人数(I am with my familyなど)を確認し、掛け算・引き算を行う手順を習慣化する。

【定型応答と疑問詞】空所の後ろから逆算する「応答予測」手順

「落とし物をした」「道に迷った」「悩みを相談する」といった課題解決型の対話では、空所に入る疑問詞や定型表現を、返答から逆算して選ぶ問題が繰り返し出題されている。ここを前から「なんとなく」の日本語訳で埋めようとすると、選択肢で迷うことになる。

  • 決定ルール:空所の後ろにある「返答(結果)」から、入るべき疑問詞や表現(原因)を逆算せよ空所の直後に About twenty minutes.(約20分です)とあれば、空所には所要時間を聞く How long does it take? が入る。About sixty years ago.(約60年前です)とあれば、時期を聞く When が入る。相手のアンサーから逆算して、機械的に疑問詞を確定させること。

結論:対話文・図表の処理は「才能ではなく作業である」

大問3で点数を落とす原因は、「英会話のセンスがないから」ではない。省略された動詞句を復元する手間の省略や、図表の数値をそのまま信じ込んでしまう計算の確認不足が、失点に直結しやすい。

自己流の用語・公式暗記(単語の日本語訳だけを丸暗記する勉強)だけでは、対話文の中に仕込まれた人数計算や、代動詞のトラップに気づきにくい。今日から以下の客観的なアクションを徹底し、確実な得点源へと変えよ。

  1. 省略箇所の物理的復元:長文演習の際、do, did, so などの代用表現が出てくるたびに、直前の文のどこを指しているのかを線で結び、余白に本来の英単語を書き出す癖をつける。
  2. 図表と数値の掛け合わせ確認:運賃や時間に関する図表問題が出たら、図表だけを見て答えを出さない。本文中に「人数(two friends, wife and sonなど)」の指定がないか必ずスキャニングし、算術処理を行う。
  3. 定型表現のストック化:Not at all(どういたしまして)、What's wrong?(どうしたの?)、No wonder SV(〜なのも当然だ)などは、1語ずつ訳すのではなく、場面とセットになった「応答パターン」としてストックしておく。

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この記事を書いた人

習志野受験研究所 所長/新・個別指導アシスト習志野校 塾長

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