【昭和学院秀英】「箱ひげ図」を見るだけでは落ちる。合否を分ける「文字式データ分析」とは

※本記事は、客観的分析のため『だ・である調』で統一しています。

「データの活用? ああ、箱ひげ図の読み取りね。あれは簡単だから大丈夫」

もし、そう甘く見ているなら、昭和秀英の入試では命取りになる。

千葉県公立入試のデータ問題は、グラフを読み取る「視力検査」のような問題が多いが、昭和学院秀英のデータ問題は全く別物だ。

それは、「データに見せかけた、論理パズル(方程式)」だからである。

本記事では、多くの受験生が本番でパニックになる、秀英特有の「$x$(文字)が入ったデータ問題」の正体と、その攻略法を解説する。


1. 昭和秀英のデータ問題は「統計」ではない

公立入試と決定的に違う点。それは、データの中に「未知数 $x$」が含まれていることだ。

例えば、直近では以下のような出題があった。

  • 2023年: 10個のデータの中に $x$ と $x+3$ があり、中央値が6になるような $x$ を求める。1
  • 2022年: 8人の得点の中に $x$ があり、「平均値と中央値が一致する」条件から $x$ を求める。2

これらは、「最大値から最小値を引く」といった単純作業では解けない。

「$x$ がどの位置に入るかによって、中央値が変わる」ということを理解し、場合分けをして解く「論理力」が問われているのである。


2. 実際の「思考プロセス」を見る(2022年過去問より)

2022年の問題を例に、秀英が求めている思考レベルを確認する。

(※数値は過去問に基づく)

【問題の概要】

8人のテストの得点:$x, 2, 4, 8, 3, 3, 7, 7$

このデータの「平均値」と「中央値」が一致するとき、$x$ の値を求めよ。

(出典:2022年度 昭和学院秀英高校 大問1(3) 3)

この問題を、公立対策しかしていない生徒が解くとどうなるか。

「平均値は計算できるが、中央値……? $x$ がわからないと真ん中が誰かわからない!」とペンが止まる。

【合格する生徒の頭の中】

上位層は、以下のように「場合分け(シミュレーション)」を行う。

STEP 1:わかっている数字を小さい順に並べる

$x$ 以外の7つを並べる。

$$2, 3, 3, 4, 7, 7, 8$$

(計7つ)

STEP 2:$x$ の場所で「中央値」が変わることに気づく

データは全部で8個なので、中央値は「4番目と5番目の平均」である。

$x$ がどこに入ってくるかで、4番目・5番目の数字(ペア)が変わる。

① $x$ が小さいグループにいる時($x \le 3$)

並び:$x, 2, 3, \mathbf{3}, \mathbf{4}, 7, 7, 8$

中央値は $(3+4)\div2 = 3.5$

② $x$ が3と4の間にいる時($3 < x < 4$)

並び:$2, 3, 3, \mathbf{x}, \mathbf{4}, 7, 7, 8$

中央値は $(x+4)\div2$

(※このケースは計算すると解なしになるが、検証して「捨てる」作業が必要だ)

③ $x$ が4と7の間にいる時($4 \le x < 7$)

並び:$2, 3, 3, \mathbf{4}, \mathbf{x}, 7, 7, 8$

中央値は $(4+x)\div2$

④ $x$ が大きいグループにいる時($7 \le x$)

並び:$2, 3, 3, 4, \mathbf{7}, \mathbf{7}, \dots$

中央値は $(4+7)\div2 = 5.5$

STEP 3:方程式を立てて検証する

あとは、平均値の式

$$\text{平均} = \frac{x+34}{8}$$

を、上記各パターンの「中央値」とイコールで結んで方程式を解けばよい。

この年は、正解が「6」と「10」の2つあった。4


3. 対策:データ問題は「代数(方程式)」だと思え

昭和秀英のデータ問題で点数を落とさないためには、以下の意識改革が必要だ。

  1. 並べ替えをサボらない
    • まず、$x$ 以外の数字を必ず小さい順に書き出すこと。
  2. 「$x$ がここに入ったら?」を実験する
    • 指で挿入箇所を動かしながら、中央値がどう変化するかを確認する。
  3. 記述だと思って解く
    • たとえ答えだけの形式であっても、途中過程の説明を求められた際に対応できるよう、「場合分け」をメモに残す癖をつけておきたい。

まとめ

昭和学院秀英の「データの活用」は、知識問題ではなく思考力問題である。

  • 文字($x$)が含まれていたら警戒せよ。
  • 中央値は「$x$ の場所」で変化する。
  • 面倒くさがらずに「場合分け」をする。

この3つを意識して過去問(特に2022年、2023年)に取り組めば、ライバルに差をつける大きな得点源になる。

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この記事を書いた人

習志野受験研究所 所長/新・個別指導アシスト習志野校 塾長

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