※本記事は、客観的分析のため『だ・である調』で統一しています。
【2022〜2025年】東葉高校英語・大問5同意文書き換え:構造を組み直す「構文変換」の型
東葉高校英語大問5(同意文書き換え・空所補充問題)の攻略は、単に「同じような意味を持つ熟語を暗記して当てはめるゲーム」ではない。元の英文の論理を維持したまま、別の文法規則の枠組みへ綺麗にはめ直す「構造転換の手順」である。
中学英語における基本熟語や不規則動詞の活用といった基礎知識は当然不可欠である。しかし、知識をただ暗記しているだけでは不十分である。動詞を名詞へスライドさせる品詞の変更、主語の視点を人と物で入れ替える操作、あるいは「句」から「節」への拡張といった、文法的な構造変換を正確に行う処理手順が必要である。同校の大問5では、受験生が表層的な日本語訳の感覚だけで空所を埋めようとすると失点しやすい構造が繰り返し確認できる。安定して得点源にするためには、丸暗記だけに頼らず、英文をパーツ単位で組み替える手順を身につけなければならない。
以下に、当研究所が過去4年・計6回分の入試問題を徹底的に分析して構築した構造データを示す。
東葉高校 英語・大問5(同意文書き換え)過去問分析リスト
| 年度 | 大問 | ジャンル | テーマ | 解法の型 | 設問の特徴 |
| 2025 | 5(1)-(5) | 文法・構文 | 同意文書き換え(空所補充) | 構文の等価変換と品詞スライド | 動詞+副詞→形容詞+名詞への転換や、during(前置詞)→while(接続詞)の句・節変換を要求する。 |
| 2024 | 5(1)-(5) | 文法・構文 | 同意文書き換え(空所補充) | 構文の等価変換と品詞スライド | How long→What lengthなどの次元名詞変換や、look forward to -ingのトラップ(前置詞to)が仕掛けられている。 |
| 2023(1/17) | 5(1)-(5) | 文法・構文 | 同意文書き換え(空所補充) | 構文の等価変換と品詞スライド | 最上級から比較級(any other)への変換、so thatからenough toへの節→句の圧縮が出題されている。 |
| 2023(1/18) | 5(1)-(5) | 文法・構文 | 同意文書き換え(空所補充) | 構文の等価変換と品詞スライド | 形式主語(It…to)への構造転換や、A as well as B の前後反転トラップが仕掛けられている。 |
| 2022(Ⅰ-①) | 5(1)-(5) | 文法・構文 | 同意文書き換え(空所補充) | 構文の等価変換と品詞スライド | 否定の等位接続(and didn’t)から前置詞(without)への圧縮、無生物から形式主語への転換を問う。 |
| 2022(Ⅰ-②) | 5(1)-(5) | 文法・構文 | 同意文書き換え(空所補充) | 構文の等価変換と品詞スライド | 原因主語(what)から理由の副詞(why)への視点移動、および句から節(so that / who)への「拡張」を要求する。 |
東葉高校英語・「句」と「節」の双方向コンバート
東葉高校の大問5をデータに基づき淡々と分析すると、単純な語順変更ではなく、文法構造そのものの変換を要求する問題が目立つことがわかる。同校で頻出する最も重要なパターンのひとつが、S+Vを含む「節」と、前置詞や不定詞で作る「句」の間を行き来させる、双方向の変換処理である。
【句と節のコンバート】文字数制限に合わせて文構造を伸縮させる「等価圧縮・拡張」の型
問題用紙に用意された空所の数を手がかりに、文の塊を「縮める(句化)」か「広げる(節化)」かを瞬時に判断しなければならない。
たとえば、2025年度の問1(2)では、元の英文に During his stay in Tokyo, と印刷されている。書き換え後の英文には空所が2つあり、( he ) ( was ) staying in Tokyo, と繋がっている。
during は前置詞なので後ろに名詞句を置き、while は接続詞なので後ろに主語+動詞を置く。前置詞 During を、同じ意味を持つ接続詞 While へと解体・拡張する能力が求められている。
逆に、節から句へと削ぎ落とす「圧縮」の技術が問われたのが、2023年度(1月17日)の問5である。
This cell phone is so light that she can carry it easily. という [so 〜 that S can V] の副詞節を、書き換え後には This cell phone is light ( enough ) for her ( to ) carry easily. と、不定詞を用いた句の形へと綺麗に圧縮させる。なお、書き換え後の to carry の目的語は、前にある This cell phone と対応するため、it を重ねて書かない点に注意が必要である。
ここでの決定ルールは、「so that節を見たら enough to の型を、接続詞 while を見たら前置詞 during の型を呼び出し、空所の数に応じて『S+Vを復元するか、あるいは前置詞句へ縮めるか』を選別する」ことである。
東葉高校英語・主語の移動と品詞のスライド操作
同校の書き換え問題において、受験生の「なんとなく同じ意味」という感覚を最も強力に揺さぶるのが、主語の視点を変えることに伴う「品詞のスライド」である。日本語訳ではどちらも「彼は泳ぐのが速い」となる文章でも、英語では構造が完全に変わる。
【主語の視点移動・品詞転換】論理を保ったまま品詞をズラす「品詞スライド」の型
英文の主語が変わった瞬間、あるいは動詞がbe動詞に固定された瞬間、元の英文で使われていた一般動詞や副詞を、別の品詞(名詞や形容詞)へと強制的に変換する手順が必要となる。
典型的な例が、2025年度の問1(3)である。
元の文:My brother swims very fast. (主語 + 動詞 + 副詞)
下の文:My brother is a very fast ( swimmer ). (主語 + be動詞 + 形容詞 + 名詞)
「速く泳ぐ(swims fast)」という動作の表現を、「速い泳ぎ手である(fast swimmer)」という属性・名詞の表現へとスライドさせている。
さらに高度な語彙の形転換を求めたのが、2024年度の問5だ。
元の文:How long is the bridge? (How + 形容詞)
下の文:( What ) is the ( length ) of the bridge? (What + 名詞)
long(長い)という形容詞を、length(長さ)という名詞形へとスライドさせている。
さらに、2023年度(1月18日)の問3では、相関接続詞の語順トラップが出題された。
元の文:He likes singing as well as dancing.
下の文:He likes ( not ) ( only ) dancing but also singing.
A as well as B と not only B but also A の変換では、前後の配置が入れ替わる。意味だけで「AもBも」と処理すると、語順を逆にして失点する。書き換えでは、意味だけでなく、どの語句がどの位置に移動するかを必ず確認する必要がある。
日本語の感覚に頼る解き方では、こうした「 swims が swimmer になる」「 long が length になる」「語順が入れ替わる」といった、英語特有のパーツの変形に即座に対応しにくい。「主語や動詞の種類が変わったら、同じ意味を保てる別の品詞のパーツを呼び出す」という構造的なアプローチを反復して即座に使える状態にする必要がある。
結論と今日から始めるチェックリスト
東葉高校の英語大問5を確実な得点源にする力は、単語帳に載っている熟語をただ暗記する記憶力ではない。与えられた英文の骨組みを客観的に見抜き、品詞の変換、句と節のコンバート、主語の視点移動といったルールに従って、別の英文構造へ組み直す力である。
日本語訳の雰囲気だけに頼ると、A as well as B の前後関係、look forward to の後ろの動名詞、so that と enough to の変換、形式主語 It の導入などを見落としやすい。大問5では、同校で繰り返し確認できる「構造転換のパターン」を意識し、以下の手順を徹底してほしい。
今日から実践すべき3つのアクション
- 書き換え問題に取り組む際、まず上の文と下の文の「主語」を比較し、人が主語から It(形式主語)に変わるなどの「視点の移動」がないか真っ先に確認する。
- 空所の数を確認し、S+Vを含む「節」を不定詞や前置詞の「句」に縮めるべきか、あるいはその逆の「拡張」を行うべきかを仕分ける。
- 単語を覚える際は、単体の意味だけでなく、long ⇔ length、die(動詞)⇔ dead(形容詞)のように、同じ意味の根っこを持つ「異なる品詞の形」をセットで書けるように練習する。

コメント