【2022-2025】敬愛学園高校・英語大問7(図表複合):データと条件を照合する手順

※本記事は、客観的分析のため『だ・である調』で統一しています。

敬愛学園高校の英語では、文章だけでなく、グラフ、地図、ポスターなどを組み合わせた複合読解問題が継続して出題されている。

現在は大問7として定着しているこの形式(2023年度以前は主に大問8で出題)を、世間で信じられているような「すべての英文と図表を最初から同じ密度で読み、全体の雰囲気をつかむ問題」だと考えると、情報過多による混乱と時間切れを招き、必要な条件を見失いやすい。

基礎的な語彙や文法の知識が不可欠であることは大前提であるが、用語を覚えるだけでは不十分であり、必要なのは以下の五段階の処理手順である。

  1. 設問が要求している条件を抜き出す
  2. 本文中の該当箇所を特定する
  3. グラフ・地図・ポスターの対応箇所を見る
  4. 必要に応じて差・合計・増減を計算する
  5. 本文と図表の両方に合う選択肢を確定する

自己流で解こうとすると、具体的にどのように失点するのか。たとえば、2025年度問48において、本文から「2021年以降に減少」と「難民発生国と国境を共有しない」という2つの条件を抜き出さずに、グラフと地図を漫然と眺めてしまうと、視覚情報に惑わされ正答を導けない。また、2024年度問45や2022年度問49のように、本文とグラフに示された2つの数値を「差」や「合計」として算術処理する手順を知らなければ、グラフの中にある単一の数値を勘で選ぶミスに直結する。

過去4年間では、本文の条件を図表へ適用する問題、数値を計算する問題、言い換えを照合する問題、データから次の行動を導く問題が繰り返し出題されている。以下では、この複合問題を客観的に処理する手順を年度別の実例から整理する。

目次

過去4年間の分析データ(敬愛学園・英語大問7・8 図表・長文読解)

設問タイプ(単元名)確認できる年度具体的な問題の核心と失点要因適用すべき手順・ルール
条件と図表の相互照合2022〜2025年度グラフや地図を単独で眺め、本文の条件と組み合わせない本文の条件(フィルター)を抜き出し、図表から合致する項目を特定する
数値処理とデータ分析2022、2024年度グラフ内の一つの数値だけを拾い、算術処理を行わない設問が要求する「差・合計・増減」などを計算し、結論を導く
言い換えと状況整理2022〜2025年度単語の表面的な一致を探し、文法・時制の事実を見落とす論理マーカーや動詞の時制・態から、意味の言い換えや状況を客観的に仕分ける

敬愛学園高校 英語 図表複合問題の解法アナトミー

【本文条件と図表の相互照合】条件を適用し合致するものを特定する手順

2025年度問48では、先に本文から二つの条件を抜き出す。

空所Aの条件は、numbers have dropped by 14 percent since 2021 である。グラフを確認すると、2021年以降に数が減少している主要受入国は Türkiye である。

空所Bの条件は、does not share a border with refugee countries である。地図上で難民発生国と主要受入国の位置関係を確認すると、選択肢にある国の中で難民発生国と国境を接していないのは Germany である。

重要なのは、最初からグラフや地図を眺めることではない。本文から「減少」「2021年以降」「国境を共有しない」という条件を抜き出し、それを図表へ適用することである。

【数値処理を伴う図表問題】差や合計を計算し結論を導く手順

図表問題では、数値を一つ見つけるだけでなく、設問が差・合計・比較のどれを要求しているかを確認する必要がある。

2024年度問45では、本文と円グラフに二つの数値が示されている。

correct answers:65%

solved:45%

設問は、正しい答えを得た人と、問題が解決したと考えた人との差を尋ねている。したがって、65-45=20と計算し、20%を選ぶ。

2022年度問49でも、二つのカテゴリーを合計する必要がある。

nets or ropes for fishing:41.8%

other material for fishing:17.5%

合計は59.3%であり、約60%となる。この結果から、About 60% of the amount of the garbage is fishing material. を選び、海洋ごみの重量では漁具が大きな割合を占めると判断できる。続く問50では、このデータを根拠として、漁網やロープを規制する(We must control nets or ropes on ships...)という対策を選ぶ。

【言い換えの照合】論理マーカーから意味の一致を確認する手順

長文中の表現が、そのまま選択肢に繰り返されるとは限らない。

2024年度問48では、下線部 generating things の直後に、In other words が置かれている。続く、AI makes things out of a lot of information が、下線部の具体的な説明となる。したがって、To produce something from other things という選択肢を選ぶ

2023年度問39・40でも、本文とポスターの間で次の言い換えが行われている。 have banned plastic bagsdon't use plastic bags any more use less plasticnot use plastic much 言い換え問題では、単語一語の一致だけを探すのではなく、同じ形が反復されることによって動作や状態が同じ内容を表しているかを確認する

【文法と時制による状況整理】構造から事実関係を正確に読み解く手順

2023年度大問8問49では、生徒会の活動を「すでに行っていること」と「これから行うこと」に分ける。

本文には、small portion sizes are givenwe put a share tablegreen garbage bins are set とあり、現在行われている運用や、過去の行為、すでに設置したものが示されている。一方、he will join a campaign meeting は、これから行う予定である。現在の運用を表す現在形・受動態、過去に行った行為、未来を表す will を区別することで、活動を正しく仕分けられる。

2025年度問46では、ask the government to let them stay という構造を分解する。難民は政府に、ホスト国での滞在を認めるよう求めなければならない。つまり、移動にはホスト国政府の許可・受け入れが必要である。この意味をまとめた選択肢が、They should be accepted by the host government for a possible transfer. である。文型だけで選択肢を決めるのではなく、構造を正確に読み、その内容を別表現にまとめることが重要である。

結論:図表読解はセンスではない。合否を分けるのは「正しい手順」の徹底である

敬愛学園高校の図表複合問題は、英文読解とグラフ読解を別々に行う問題でも、一部の才能やセンスで解く問題でもない。

合否を分けるのは、本文から条件を抜き出し、図表へ適用し、必要に応じて計算し、選択肢の言い換えと照合する一連の『正しい手順』の徹底である

実戦では、次の順でアクションを起こしたい。

  1. 設問の条件語に印をつける
  2. 本文中の根拠を探す
  3. 対応する図表の項目を見る
  4. 差・合計・増減を計算する
  5. 本文と図表の両方に合う選択肢を選ぶ

過去問で間違えた場合は、「長文が読めなかった」「グラフが苦手だった」という自己流の反省で終わらせてはならない。そのような漫然とした演習だけでは、自身に不足している処理手順へ気づきにくい。条件抽出、該当箇所の特定、数値計算、言い換えのどこで処理を誤ったのかを客観的に確認する。この手順を繰り返すことで、情報量の多い図表複合問題でも、判断すべき箇所を限定しやすくなる。

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この記事を書いた人

習志野受験研究所 所長/新・個別指導アシスト習志野校 塾長

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