【千葉県公立入試】古文は「読む」な。14年分のデータが導く「3つの正解パターン」と最短攻略法

※本記事は、客観的分析のため『だ・である調』で統一しています。

目次

1. 序論:古文で起きている「努力のズレ」

「単語が覚えられない」「何を言っているか分からない」。 受験シーズンになると、古文に対する悲鳴が多くの家庭から聞こえてくる。これに対し、学校や大手塾は判で押したようにこう指導する。「単語を覚えましょう」「主語を補って読みましょう」と。

もちろん、基礎は必要だ。千葉県入試でも歴史的仮名遣いや基本的な語句の意味は毎年のように問われており(2025年「ゆゑに」、2024年「みへたり」など)、ここを落としては勝負にならない。

しかし、断言する。合否を分ける決定打は、そこではない。 近年の出題傾向を分析すると、問われている核心は「単語の直訳」ではなく、「物語のオチ(テーマ)を正確につかめたか」という一点に集約される。

だからこそ、やるべきは真正面からの精読ではない。「逆算」である。

2. 戦略:本文より「あと」を見ろ

千葉県公立入試の古文には、構造上の大きな特徴がある。 それは、大問の最後に配置された「対話文(まとめ)」や「漢文」が、物語の完全な要約(ネタバレ)になっているという点だ。

我々が提唱する手順は以下の通りだ。

  1. Start(逆算): 本文はいきなり読まない。まず一番最後の設問を見る。
  2. Analyze(分析): そこにある「生徒の会話」や「引用された漢文」を読む。ここにあらすじとテーマが書いてある。
  3. Solve(解答): テーマが分かった状態で、本文の空欄や傍線部にあたりをつける。

この手順に変えるだけで、難解な古文読解が、単なる「答え合わせ」に変わる。 特に、最後に引用される漢文は、物語の教訓を凝縮したものであるケースが極めて多い。これを使わない手はない。

3. 分析:千葉県を支配する「3つの型」

では、肝心の「テーマ」はどう見極めればよいか。 当研究所が2012年から2025年まで、14年分・全21回の入試問題を分析した結果、千葉県の古文は以下の3つの型(パターン)に分類できることが判明した。

■ Pattern 1:道徳・情愛(The Moral)

「善い行いをした者は報われ、情け深い者は救われる」 最も出題頻度が高い王道の脚本だ。登場人物が「涙」を流したり、「親孝行」をしたり、「嘘をついてまで人を助けたり」した場合、正解は必ず「道徳的に正しい選択肢」になる。

  • 代表例: 2025年(積善)、2021年(平治物語)、2020年後期(孝行娘)
  • 攻略の軸: 選択肢に迷ったら「情け」「慈悲」「正直」を選べ。

■ Pattern 2:機知・風刺(The Wit)

「賢い者が、機転とユーモアで窮地を脱する(あるいは強欲な者が自滅する)」 ここでの主役は、一休さんのような「とんち」の効く人物や、論理的な「子供」である。逆に、欲深い僧侶などが失敗する話もここに含まれる。

  • 代表例: 2024年(強欲な僧)、2019年後期(一休)、2012年後期(孔子と子供)
  • 攻略の軸: オチは「掛詞(ダジャレ)」か「論理的矛盾」で決まる。「面白い」「機転が利く」と評価されている選択肢を選べ。

■ Pattern 3:求道・達人(The Professional)

「達人は、決して現状に満足せず、道を究め続ける」 芸術家や職人が登場し、そのストイックな姿勢を描くパターンだ。Pattern 1と混同しやすいが、以下の視点で区別できる。

  • 誰がすごいのか?: 「善人」ではなく「達人・プロ」
  • なぜ褒められる?: 「優しさ」ではなく「厳しさ・没頭」
  • 代表例: 2018年前期(大鼓)、2017年後期(利き水)、2016年前期(絵師)
  • 攻略の軸: 正解は「満足しない」「批判を聞き入れる」「練習より意識」という方向にある。

4. 実践:記述問題の「最短ルート」

最後に、受験生が苦戦する「記述問題」について触れる。 千葉県の古文記述は、オリジナルの作文能力など求めていない。問われているのは、文脈の因果関係だけだ。以下の「型」に当てはめて書く訓練をしてほしい。

【記述の基本フォーマット】 A(具体的な状況・行動)だから、B(心情・結果)。

  • 例(2021年): 「袖がしぼれないほど濡れている(A)」から、「深い悲しみを感じている(B)」。
  • 例(2015年後期): 「飢えに迫られた(A)」から、「友情を忘れて捕食しようとした(B)」。

本文中の言葉(A)を拾い、現代の常識的な言葉(B)につなげる。これだけで部分点は確実に確保できる。

5. 結論:古文は「情報処理」である

入試は、限られた時間の中で正解を導き出す情報処理の場である。 出題者が14年間にわたり繰り返してきた「3つの型」を知らずに、闇雲に本文を読むのは得策ではない。

  1. 最後を見て「逆算」する。
  2. 3つの型(道徳・機知・求道)に分類する。
  3. 記述は「AだからB」の型で処理する。

このプロセスを徹底するだけで、古文は「読めない恐怖の対象」から「安定した得点源」へと変わるはずだ。

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この記事を書いた人

習志野受験研究所 所長/新・個別指導アシスト習志野校 塾長

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