【千葉県公立入試・国語】「指示語の直前『だけ』見ろ」という罠。論説文で自滅する子がハマる「距離の錯覚」

※本記事は、客観的分析のため『だ・である調』で統一しています。

1. 誤診:「箱庭」で育った弊害

国語が苦手な生徒に対し、多くの指導者はこう教える。「指示語(これ・それ)が出たら、直前を探せ」。 確かに、これは基礎として正しい。だが、千葉県公立入試において、この「教科書通りのセオリー」を盲信することは、「致命的な悪手」となる。

なぜ、生徒は「近く」ばかり探そうとするのか。 原因は、普段使っているテキストにある。学校や塾の教材は、限られた授業時間で扱えるよう、文章が短くカットされていることが多い。 その狭い「箱庭」のような文章の中で育った生徒は、本番の長い文章という「荒野」に出ても、無意識に「答えは近くにあるはずだ」と思い込み、半径数行以内をウロウロと探し回る。

その結果、無関係な文章をツギハギして意味不明な記述解答を作り出し、撃沈する。これが毎年繰り返される「国語が伸びない」現象の正体である。

2. 分析:千葉県が仕掛ける「遠距離射撃」

「指示語が出たら直前を見る」。これは基礎として正しい。だが、千葉県入試の論説文で命取りになるのは、このセオリーを「直前で止めること」である。

千葉県の設問は、傍線部の周辺に“答えっぽい言葉”を撒き、受験生の視線を足止めする。ところが実際の根拠は、そこではなく、筆者が「断言」している場所――つまり「結局、何が大事なのか」を言い切っている一文に置かれることがある。

たとえば2022年の大問4(テーマ:おもてなしと禅)が象徴的だ 。 設問は「日本流のおもてなし」について問うているが、傍線部の近くをいくら探しても解答の芯は出てこない。根拠は、ずっと後方にある「……そうして残ったものがほんとうに大事なものである、とするのが禅です」という断言にある 。

ここで拾うべきは、傍線部周辺の“説明”ではない。筆者が旗を立てた「ほんとうに大事なもの」という結論そのものだ。 テクニックで解こうとする者は「距離」に騙される。本質で解く者は「断言(熱量)」に反応する。

3. 復習の核心:「Why」ではなく「How」を鍛えよ

国語が伸びない生徒の共通点は明確である。復習が「理由の確認」で止まっていることだ。 解答解説には「なぜそれが正解か(理由)」は書いてある。だが、千葉県型の罠で必要なのは、そこに到達する探索ルート(How)である。これを鍛えない限り、本番でも同じ場所で迷う。

したがって、丸つけ後に行うべき作業は次の3点だ。

① 断言文スキャン(上空から探す)
「つまり」「要するに」「大事なのは」「~である」「~なのだ」。筆者が言い切る語を目印に、文章全体から“結論の候補”を先に拾う。指示語より先に、断言を探せ。

② 指示語は“起点”であり“終点”ではない
指示語の直前に戻るのは構わない。だが、そこで止まるな。直前にあるのが「具体例」や「補足」なら、答えは別にある。指示語→直前→断言(結論)まで、視線を必ず伸ばす。

③ 2点押さえトレース(距離を可視化する)
「傍線部(設問の起点)」と、「根拠になった断言文(終点)」を指で押さえ、その間を線で結ぶ。 「答えは近くにある」というバイアスは、距離を“目で見て”壊すのが最速である。これを毎回やれ。脳が探索レンジを自動で広げる。

4. 結論:虫眼鏡を捨てて、ドローンを飛ばせ

千葉県入試は、視力検査ではない。「聴くべき音(筆者の断言)」を聴き取る、聴力検査に近い。

千葉県が求めているのは、文章の細部を這い回る「虫眼鏡」の視点ではない。 文章全体を上空から見渡し、「筆者は結局、何が言いたいのか(どこに旗を立てているか)」を特定する「ドローン(俯瞰)」の視点だ。

この3点を徹底すれば、千葉県型の論説文は「近場探索ゲーム」ではなくなる。文章全体のどこに筆者の旗が立っているか――その一点を先に特定し、そこへ一直線に取りに行け。

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この記事を書いた人

習志野受験研究所 所長/新・個別指導アシスト習志野校 塾長

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