※本記事は、客観的分析のため『だ・である調』で統一しています。
【常識を疑え】過去問は「直前まで取っておく」な。今すぐ「切り分けて」使うべき3つの理由
「過去問は入試直前(1月・2月)の実力試し用に取っておきましょう」
学校や塾で、このような指導を受けたことはないだろうか。
一般的に信じられているこのセオリーに対し、習志野受験研究所の答えは「NO」だ。
当研究所の結論は、次の二つである。
- 過去問は、できれば11〜12月ごろから使い始めるべきである
- 1回分を通しで解くだけでなく、「大問ごとに切り分けて」練習してもよい
なぜ、世間の常識と真逆の戦略をとるのか。千葉県の中学生を取り巻く現在の入試環境を前提に、その理由を3つに整理して提示する。
理由1 「本番形式のリハーサル」は、もう十分すぎるほど足りているから
「過去問を取っておく」という主張の最大の根拠は、
- 本番形式(50分×5教科)の練習機会を確保するため
- 直前の実力を測るため
というものだ。
しかし、冷静に今の受験生活を振り返ってみてほしい。
- 塾の月例テスト・実力テスト
- 外部会場模試(Vもぎ・Sもぎ等)
- 学校の実力テスト
特に注目すべきは、学校の実力テストである。千葉県内の9割以上の中学校で採用されている総進図書作成のテストが、近隣の中学校では年間7回も実施されている。これは実質、学校だけで入試本番と同じ形式の模試を7回受けているのと同じだ。
塾や外部模試も含めれば、多くの生徒が入試までに10回以上の「リハーサル」を経験していることになる。これ以上、貴重な過去問を使ってまで「形式慣れ」をする必要がどこにあるだろうか。
過去問の役割は「実力診断(リハーサル)」ではない。「傾向分析(研究材料)」である。研究材料である以上、手をつけるのは早ければ早いほどよい。
理由2 1回分まとめてより、「大問ごと」に解いた方が時間感覚が身につくから
「過去問は必ず50分計って1回分通しで解かなければならない」と思い込んでいる受験生も少なくない。もちろん、入試直前期には「本番と同じ時間配分で通し演習」をする時期も必要だ。
だが、力を伸ばす局面では、むしろ次のような使い方のほうが効果的な場面も多い。
- 大問ごとに切り出して解く
- 同じ大問を、年度をまたいで連続して解く
例えば、数学の大問2(関数)だけを5年分続けて解いてみると、次のような「発見」が必ずある。
- 「このパターンは毎年出ているな」
- 「自分はこのレベルを7分以内で解かないと、他の大問にしわ寄せが来るな」
(参考記事)▶ 【千葉県公立入試】数学大問2(関数)は「計算」ではない。「パターン認識」で瞬殺せよ。
50分フルで解くと、どうしても「解き終わること」に必死になり、一問一問を丁寧に振り返る余裕がなくなる。
「今日は大問2だけ15分」「明日は大問3だけ20分」といった短い集中演習を繰り返すほうが、結果としてタイムマネジメントの力は鍛えられる。
理由3 直前期に「初めて敵の顔を知る」事態を避けるため
これが最も重要な理由だ。1月下旬〜2月になって初めて過去問を解き、
- 「思っていたより全然難しい」
- 「自分の苦手と、入試で聞かれることがずれていた」
と気づいた場合、残された時間で軌道修正をするのは容易ではない。
一方で、11〜12月の段階から過去問に触れておけば、
- どの教科の、どの大問で点が取りにくいのか
- 千葉県の入試は、具体的にどんな力を求めているのか
を早い段階で知ることができる。冬期講習や1〜2月の学習を「なんとなく総復習」ではなく、「入試とのギャップを埋める作業」として設計し直すことが可能になる。
敵(入試問題)の顔は、できるだけ早く知っておいた方が、戦い方は立てやすくなる。
まとめ 過去問は「しまっておく物」ではなく「早めに使い倒す道具」
過去問を大切に取っておくこと自体が悪いわけではない。
ただ、今の千葉県の中3生の環境をふまえると、
- 本番形式のリハーサルは、学校・塾・模試で十分に行われている
- 過去問は「研究材料」として、早くから大問ごとに使った方がリターンが大きい
というのが当研究所の見解である。
コピーを取り、大問ごとに切り分け、ノートに貼って何度も解き直す。もし「過去問はやり尽くしてしまって、直前にやるものがない」という状態になったとしたら、それはむしろ理想だ。その頃には、君は誰よりも「千葉県入試のクセ」を知り尽くしているはずだからである。
習志野受験研究所では、この考え方にもとづき、
- 科目別/大問別のトレーニング用プリント
- 最新のトレンドを反映した他県の良問
なども組み合わせながら、「早めに・部分的に」過去問を活用するカリキュラムを組んでいる。

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