【千葉県公立入試・理科】人体分野は「ヤマ」を張るな。「つながり」を張れ。~空白ができやすい“3大システム”を一本で貫く~

※本記事は、客観的分析のため『だ・である調』で統一しています。

千葉県公立入試の理科には、受験生が“ヤマ当て”をしたくなる分野がある。人体(消化・呼吸・血液循環・排出)である。 過去のデータを分析しても、人体は「毎年同じ形で出続ける」タイプではない。たとえば次のように、出題年度とテーマが散らばっている。

  • 消化・吸収: 2020年、2015年
  • 血液循環: 2017年、2013年
  • 呼吸(肺~細胞呼吸): 2016年

ここで「最近は出ていないから捨てる」「今年は循環だけやる」といったヤマ張りに走ると、外した時に致命傷となる。 ではどう備えるべきか。結論は一つだ。

どこが出てもいいように、人体を『細胞呼吸』という一本の線でつないで理解しておく。

これが最も再現性が高い学習法である。 本稿では、人体分野を“暗記の箱”ではなく、得点に直結する「3つの連携ルート」として組み直す。

目次

1. 「消化」の核心:対照実験の意図を言語化せよ(2020年・2015年)

消化で千葉県が聞いてくるのは、単なる用語ではなく「実験の論理」である。

2020年の出題では、デンプンと消化の実験で、なぜ“水だけの条件(対照実験)”を置くのかが問われた 。狙いは明確だ。

「デンプンの分解は、水のはたらきによるものではない」ことを確かめるためである 。

この一文を、記述の答案として書けるかどうかが分かれ目になる。 また2015年の出題では、セロファン膜を使い、物質が通る/通らないで「分子の大きさ」を判断させる実験が出た 。 ここで押さえるべき鉄則は次の2つである。

  • 消化の目的: 吸収できるように、分子を小さくすること。
  • 実験の作法: 条件をそろえて比べる(対照を置く)ことでしか、はたらきは証明できない。

さらに2020年には、胆汁に関する“ひっかけ”も入っている。胆汁は消化酵素を含まない。脂肪を水に混ざりやすい状態にして、消化を助ける(乳化)という位置づけで整理しておくべきだ 。

2. 「循環」の核心:血管は“物流ルート”、表は“成分変化”で読む(2017年・2013年)

血液循環は、心臓の部屋の名前を暗記するだけでは戦えない。血液がどこを通ったとき、何が増え、何が減るかを追うゲームである。

2013年の出題では、器官を通った後の「血液中の成分変化」が表で問われている 。読み解く鍵は次の整理である。

  • 小腸の後: 栄養分(ブドウ糖・アミノ酸など)が増える。
  • 肺の後: 酸素が増え、二酸化炭素が減る。
  • 肝臓の後: 有害なアンモニアが尿素に変わる(結果として“尿素側”で見ると増える)。
  • 腎臓の後: 尿素がこし取られる(尿素が減る)。

特に強いのは肝臓と腎臓の役割分担である。2017年の出題でも、アンモニア→尿素(肝臓)という処理と、尿素を体外へ向けて処理する流れ(腎臓)が絡む 。 人体は“名称暗記”ではなく、成分(中身)の変化で語れるかが勝負である。

3. 「呼吸」の核心:肺で終わらせず、細胞まで届けよ(2016年)

呼吸というと「肺で酸素を取り入れる」イメージで止まりがちだ。しかし2016年の出題で問われたのは、さらに奥の細胞呼吸である

細胞呼吸とは何か。答案としては次の形にまとめるのが最短だ。

「酸素を使って栄養分を二酸化炭素と水に分解し、エネルギーを取り出すはたらき」

これこそが、人体分野を一本で貫く“統一理論”になる。

  1. 消化系: 栄養分を小さくして取り込む
  2. 呼吸系: 酸素を取り込む
  3. 循環系: それらを全身の細胞へ運ぶ
  4. 細胞: 栄養分と酸素でエネルギーを作る(細胞呼吸)
  5. 排出: 出た不要物(CO2や、たんぱく質由来のアンモニア等)は循環で回収され、体外へ

この流れが見えていれば、消化が来ても循環が来ても呼吸が来ても、問題は“つながり”として処理できる。

4. 結論:人体は「総合力」で守れ

人体分野は、ヤマを張った瞬間に弱くなる。逆に、一本の線でつながった瞬間に強くなる。

  • ご飯を食べたら(消化)、その栄養はどう運ばれ(循環)、どこで使われるか(細胞呼吸)。
  • 息を吸ったら(呼吸)、その酸素はどこへ行き(循環)、何に使われるか(細胞呼吸)。

この「つながり」を意識して、教科書の図を一度“一本道”として見直してほしい。人体は暗記科目ではない。ストーリーで解く得点源である。

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この記事を書いた人

習志野受験研究所 所長/新・個別指導アシスト習志野校 塾長

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