【千葉県公立入試・英語】大問8(長文読解)を完全攻略する「3つの捜査手法」 〜読むな、捜査せよ〜

※本記事は、客観的分析のため『だ・である調』で統一しています。

1. 序論:速読という「逃げ」

「長文が読み終わらない」「時間が足りない」という相談をよく受ける。多くの指導者はこれに対し「速読の練習をしよう」と答えるが、これは思考停止である。

千葉県公立入試の長文読解において、時間が足りなくなる真の原因は、読むスピードではない。「情報の整理(マッピング)」をしていないために、何度も本文を読み返す羽目になっていることが原因である。

大問8は、単なる物語ではない。「複数の証言」「異なる意見」「時系列の矛盾」が散りばめられた「捜査資料」である。読み流すのではなく、情報を固定(ロック)しなければならない。

過去14年(2012〜2025年)のデータが示す、長文読解を攻略するための「3つの解析アプローチ」をここに公開する。

※本稿で扱う「大問8」について 現在の入試形式における「大問8(長文読解)」を対象としているが、分析データには過去(前期・後期制時代)の同傾向問題(大問5や6など)も含まれる。「資料統合」と「長文読解」が融合した後半ゾーンの攻略法として定義する。

2. 鉄則①:犯人特定のマッピング(Attribution)

2012年、2014年、そして最新の2025年入試に共通するのが、「誰が、何を言ったか(帰属の特定)」である。

  • 2012年(50周年プロジェクト): マスコット案はYuka、リサイクル案はKen、キャップアート案はEmi。
  • 2014年(国際理解): 「本を読め」と言ったのはAya、「日本を知れ」と言ったのはSota。
  • 2025年(アプリ開発): デザイン担当、機能担当、プレゼン担当の役割分担。

千葉県公立入試は、選択肢で「主語のすり替え」を頻繁に行う。「Emiの案はリサイクルだった」といった誤文に騙されないためには、記憶に頼ってはならない。

【攻略アクション:情報のタグ付け】

  1. Boxing: 登場人物が出てきたら、即座にその名前を「丸で囲む」
  2. Linking: その人物の「提案・主張・担当」に下線を引き、名前から矢印(→)を引っ張って結びつける。
  3. Check: 設問を解く際は、本文ではなく、自分が書いた「矢印」だけを見る。矢印がない箇所は「未処理」とみなす。

3. 鉄則②:現場検証のスケッチ(Visualization)

英文を読んで「わかったつもり」になるのが最も危険だ。千葉県公立入試は、テキストデータを「図や位置関係」に変換できるかを執拗に問うてくる。

  • 2017年後期(消えたケーキ): 「フォークが皿の左側にあった」という一文から、左利きの人物を特定する。
  • 2013年前期(Emilyの一日): 複数の目撃証言(郵便局を左折、スーパーの隣、ホテルの間)を、地図上の座標に落とし込む。
  • 2019年前期(ウサギのリンゴ): 「耳を短く」「種なし」という記述を、4つの図版から選ぶ。

文字情報だけでは、脳のワーキングメモリがパンクする。特に「空間・位置」に関する記述が出たら、それは英語の問題ではない。図形問題である。

【攻略アクション:強制図解】

  1. Trigger: 以下の単語が出たら、読むのを止めて鉛筆を動かす。
    • 位置:left / right / between / next to / in front of
    • 移動:turn / go past / go along
  2. Sketch: 余白に簡単な「地図」や「配置図」を描く。きれいな絵である必要はない。○と線だけでいい。
  3. Verify: 「描いた図」と「選択肢の絵」を照合する。「描けば解ける、描かねば間違う」と心得る。

4. 鉄則③:理数脳へのモードチェンジ(Logic Switch)

大問8の文章中に「数字」や「年号」が出てきた瞬間、君は「英語を読む」のをやめなければならない。そこからは「計算担当」に交代する時間だ。

  • 2024年(ファストファッション): Tシャツ1枚の水使用量(2300L)と、人間が1年に飲む水(440L×5人分)を比較計算させる。
  • 2015年前期(Sweet Sixteen): 「パーティーは誕生日の前日」という記述から、2月8日(日)の翌日が誕生日であると特定する。
  • 2018年後期(鉄道): 「15時発・9時発」の往復ダイヤを見て、日帰りが物理的に不可能であると見抜く。

千葉県公立入試では、数字は単なる飾りではない。必ず「計算」か「論理的矛盾の指摘」に使われる。

【攻略アクション:理数スイッチ】

  1. Marking: 数字と単位(L, cm, hour, day, 年号)が出てきたら、即座に丸で囲む。
  2. Equation: 計算が必要な気配を感じたら、英語のまま考えず、余白に「数式」や「数直線」を書く。
  3. Reality Check: 選択肢を選ぶ前に「物理的に可能か?(時間の逆行など)」を一瞬立ち止まって確認する。

5. 結論:国語力でも英語力でもない

大問8で問われているのは、長文読解力ではない。 バラバラに散らばった証言、提案、数値データを、一つの結論(解決策)へと統合する「プロジェクトマネジメント能力」である。

  1. 誰の発言か矢印で結ぶ(マッピング)
  2. 状況を図に描く(スケッチ)
  3. 数字を式にする(スイッチ)

この3つの「作業」を淡々と実行すること。感情移入して物語を楽しんでいる暇はない。君は読者ではなく、現場に残された資料を読み解く「分析官」なのだから。

習志野受験研究所では、こうした「入試の構造分析」を日々行い、再現可能な「型」として指導している。 単語帳をめくるだけの勉強に限界を感じたら、当ラボの門を叩くといい。

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この記事を書いた人

習志野受験研究所 所長/新・個別指導アシスト習志野校 塾長

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