※本記事は、客観的分析のため『だ・である調』で統一しています。
【理科】千葉県公立入試「鉄と硫黄」の定番──10年変わらぬ『7:4』を武器にする
「またこれか……」
過去問を14年分さかのぼったとき、当研究所は思わずそう感じた。
千葉県公立高校入試の理科では、「鉄と硫黄の化合」が、形を変えて繰り返し出題され続けている。
結論から言おう。
中学理科の範囲で扱う硫化鉄(FeS)においては、「鉄:硫黄 = 7:4」という質量比は不動である。
出題形式が会話文であれ、表であれ、計算であれ、最後に立ち戻るべき「真理」はこれ一つだ。
■ 10年越しで繰り返される「7:4」
論より証拠。当研究所の分析データから、以下の「同系統の出題設計」が確認されている。
- 2013年(前期): 鉄と硫黄を加熱 $\rightarrow$ 7:4
- 2020年(前期): 鉄と硫黄を加熱 $\rightarrow$ 7:4
- 2023年: 会話文形式での出題 $\rightarrow$ 結論は 7:4
数字が変わっても比が変わらないのは、作問者の気まぐれではない。
高校化学などの高度な範囲を除き、中学理科で扱う硫化鉄(FeS)の質量比は、原子量に基づき 56:32 = 7:4 で固定されているからである。
そして千葉県入試が好むのは、単に「比を答えさせる」ことではない。この比を使って「過不足(あまり)」を計算させる設計である。
■ 千葉県が好む「過不足」パターン
典型的な出題パターンはこうだ。
「鉄 6.6g と 硫黄 3.6g を反応させた。どちらが何g 余るか。」
この問いでペンが止まってしまう原因は、知識不足ではない。
「迷ったら 7:4 に戻す」という思考の型が身体化していないことにある。
■ 解法の型:まず“片方を使い切る”前提で必要量を出す
本番で迷わないための「解法の型」を伝授する。
【法則】 鉄 : 硫黄 = 7 : 4
手順①:硫黄を基準に考える
硫黄 $3.6g$ をすべて使い切るために必要な鉄の質量は?
$$3.6 \times \frac{7}{4} = 6.3g$$
手順②:持っている量と比較する
用意された鉄は $6.6g$。対して、必要なのは $6.3g$。
$$6.6 – 6.3 = 0.3g$$
答え:鉄が 0.3g 余る。
2023年のように数値が変わっても(鉄11.0g、硫黄6.0g)、やるべき手順は全く同じである。
- 硫黄 $6.0g$ に必要な鉄:$6.0 \times \frac{7}{4} = 10.5g$
- 用意された鉄 $11.0g$ $\rightarrow$ 0.5g 余る。
■ まとめ:暗記ではなく「法則+手順」を武器にせよ
この単元から逃げることはできない。千葉県の出題傾向を見る限り、今後もこの「過不足」を中心に組まれる可能性は極めて高い。
だからこそ、覚えるべきは小手先の数字ではなく、次の“型”である。
【鉄と硫黄・勝利の方程式】
- 硫黄(S)が与えられた $\rightarrow$ 必要な鉄 = $S \times \frac{7}{4}$
- 鉄(Fe)が与えられた $\rightarrow$ 必要な硫黄 = $Fe \times \frac{4}{7}$
- 算出量と用意量の差が「余り」になる
問題文を見た瞬間に、「7:4を使って、余りを計算させる設計だ」と判断できれば、計算迷子は起きない。
「過去問を解く」とは、単なる答え合わせではない。
出題者が好む「型」と、その背後にある「法則」を見抜くことなのである。

コメント