※本記事は、客観的分析のため『だ・である調』で統一しています。
【理科】2025年入試で「進化」が急増した怪現象。そして2026年、ノーベル賞は何を連想させるか。
1. 2025年の「異常事態」:なぜ進化が大問になったのか
全国の公立高校入試問題を分析していると、2025年入試において、ある看過できない「異常値」が観測された。
中学理科において、地味な存在である「生物の進化」単元。これが、大阪・沖縄・兵庫・宮崎の4府県において、示し合わせたかのように「大問(メインテーマ)」として出題されたのである。
この特異性は、過去のデータを紐解けば明白だ。 「進化」が小問集合ではなく、大問として扱われたケースは極めて稀である。
- 2024年:群馬県・鳥取県の2件
- 2023年:千葉県のみ
- 2022年:全国で0件
- 2021年:福井県のみ
- 2018〜2020年:全国で0件
それが突如として、2025年に4件も発生した。入試問題作成において、これほど極端な偏りが「完全な偶然」で生じることは考えにくい。そこには、作問者の意識を共通してその単元に向かわせた「震源地」が存在するはずだ。
2. 仮説:「1〜2年のタイムラグ」とノーベル賞
入試問題の作成期間を考慮すると、その年の出題傾向は「1〜2年前のニュース」に影響を受けやすいという仮説が成り立つ。 2025年入試(2024年度)に影響を与えた震源地として有力なのが、2022年のノーベル生理学・医学賞である。
受賞テーマは「ネアンデルタール人のゲノム(DNA)解析」。 従来、化石の形状比較で語られることが多かった「進化」の研究に、DNA解析という決定的な証拠が持ち込まれたニュースだ。
このトピックが、作問者の脳内で「進化」と「遺伝(DNA)」のリンクを強固にし、結果として2025年の「進化単元の急増」に繋がった可能性は否定できない。
3. 2026年入試への視点:ニュースを教科書単元へ「翻訳」せよ
この「連想ゲーム」の法則を、目前に迫った2026年入試(2026年2月実施)に当てはめてみる。 参照すべきは、主に2023年・2024年のトピックだ。
ただし、ここで注意すべきは「ニュースの内容そのもの(高校範囲など)」を深追いしないことだ。 重要なのは、「そのニュースを見て、作問者は教科書のどのページを開きたくなるか」という視点だけである。
① 2023年ノーベル賞からの連想
生理学・医学賞:mRNAワクチン技術 「mRNA」や「免疫の複雑な仕組み(抗原・抗体)」は高校生物の範囲であり、公立入試で直接問われることはない。 しかし、この話題は強烈に「遺伝」の単元を意識させる。
- 【教科書への翻訳】
- 細胞のつくり(核・染色体)
- メンデルの法則などの遺伝の規則性
化学賞:量子ドットの発見 ナノテクノロジーに関する話題だが、量子力学はもちろん範囲外だ。 作問者がここから連想するのは、物質の最小単位である「原子・分子」や、発色に関連する「光」の性質である。
- 【教科書への翻訳】
- 化学変化と原子・分子(モデル図など)
- 光の性質(屈折・全反射・色)
② 2024年「AI」からの連想
2024年を席巻したAI(人工知能)技術も、理科的な連想の材料になり得る。
物理賞・化学賞:AI(ニューラルネットワーク・タンパク質解析) AIの学習モデルは脳神経を模したものであり、タンパク質解析は消化・吸収の分野に近い。
- 【教科書への翻訳】
- 生命(神経): 刺激と反応、感覚器官、神経系
- 生命(消化): 栄養分の分解と吸収(タンパク質→アミノ酸)
③ 国内トピックからの連想
国内の自然現象や宇宙開発は、より直接的に単元と結びつく傾向がある。
能登半島地震
- 【教科書への翻訳】 地学(地震):初期微動継続時間、P波・S波の性質
SLIM月面着陸
- 【教科書への翻訳】 物理(力と圧力):質量と重さの違い(月面では重さが約1/6、質量は不変)
4. 結論
本記事は、特定の出題を予言するものではない。 しかし、理科という科目が「世の中の事象」を解明するためのツールである以上、作問者が時事問題からインスピレーションを受けるのは自然なことだ。
ニュースを見て「へぇ、そうなんだ」と賢くなった気になってはいけない。それは点数にはならない。 そのニュースが教科書のどのページの話なのかを特定し、その単元のワークを解き直した者だけが、入試本番、周りの受験生がその「新傾向」に動揺する中で、自分だけは「初見のはずなのに、手の内が透けて見える」という、強烈な既視感(デジャヴ)を体験する権利を得る。 評論家になるな。受験生に戻れ。

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