【千葉県公立入試・英語】チラシ・表読解は「英語」ではない。「情報処理」である。~平均点を下げる「計算」と「注釈」の罠~

※本記事は、客観的分析のため『だ・である調』で統一しています。

千葉県公立入試の英語で毎年出題される資料読解問題。一般的には『広告問題』とも呼ばれるが、当研究所ではその見た目と性質からあえて『チラシ問題』と定義する。

千葉県公立入試の英語において、調査した直近13年(2013~2025年)では毎年、「チラシ・ポスター・ウェブサイト」などの資料読解問題が出題されている。 長文読解(物語文・説明文)とは異なり、ここでは高度な文法知識や難解な単語力は求められない。

しかし、この大問で失点する受験生、あるいは時間を使いすぎて後半の長文で時間が足りなくなる受験生が後を絶たない。 原因は明確だ。彼らはこれを「英語の勉強」として捉え、上から下まで馬鹿正直に読もうとしているからだ。

過去13年分の資料読解を設問タイプ別に整理して分析すると、千葉県の資料読解問題は「英語」という皮を被った「情報処理(パズル)」であることがわかる。 今回は、このパズルを最短時間で解くための「3つのアルゴリズム」を提示する。

1. 鉄則:本文を「読む」な。「検索」せよ

物語文であれば、文脈を理解するために通読が必要だ。しかし、チラシやウェブサイトに「起承転結」はない。 あるのは「情報の羅列」だけだ。

2023年の「レストラン列車(Restaurant Train Trip)」や、2024年の「国際春祭り(International Spring Festival)」の問題を見てほしい。 時刻表、料金表、注意事項などが並んでいるが、これらを最初から順に読むことに何の意味もない。

攻略プロトコル:

  1. まず「設問」を読む。(例:「ボブとヒロコは何時に会うか?」「チケットは何枚残っているか?」)
  2. その情報が書かれていそうな場所(表の中、見出しの下など)へ「視線を飛ばす」
  3. 必要な情報だけを拾い読みする。

「Reading(読む)」ではなく「Scanning(探す)」の動作を徹底すること。これが第一歩だ。

2. 罠①:英語の中に「算数」が潜んでいる(2023年・2016年)

千葉県入試の大きな特徴として、「簡単な計算」を要求する頻度が極めて高いことが挙げられる。

  • 2023年(列車): 時刻表を見て「滞在時間」を計算させる。駅に「到着した時刻」と「出発する時刻」を確認し、「出発時刻 - 到着時刻」の引き算が必要だった。
  • 2016年(Tシャツ注文): 注文枚数に応じた単価(1~20枚なら1500円、21枚以上なら1200円…)と、プリント代の追加料金を合計させる計算問題。
  • 2015年(フードフェス): チケットがない場合の差額計算。

これらは英語の問題ではない。「条件付きの算数」だ。 「数字」が出てきたら、ただ漫然と眺めてはいけない。 「合計はいくらか?」「時間はどれくらいか?」「差はどれくらいか?」 という計算が必ず問われると身構える必要がある。

3. 罠②:正解は「注釈(コメ印)」にある(2025年・2017年)

最も警戒すべきは、大きな文字で書かれたキャッチコピーではなく、隅に小さく書かれた「注釈(※やNote、Attention)」や「条件付きの記述」だ。

直近の2025年入試、「猫カフェ(Happy Cat Cafe)」の問題を見てみよう。 問1では「店に入れない条件」が問われた。 本文の目立つ場所には「かわいい猫が待っています!」とあるが、正解の根拠は枠内に小さく書かれた以下のルールにあった。

* Children under 12 years old cannot enter.(12歳未満は入店不可)* You must wear socks…(靴下の着用必須)

また、2017年の「ネットショッピング」の問題でも、「午後9時30分に電話しても当日配達はできない」という正解を導くために、配達時間の表(最終は午後9時まで)を確認する必要があった。

出題者は、受験生が「大きな文字」や「表の真ん中」に目を奪われることを知っている。 だからこそ、あえて「隅の小さな文字」や「例外規定」に正解の根拠を隠すのだ。

「~の場合は除く」「ただし~に限る」。 こうした「条件分岐」を見逃さない観察力が、英語力以上に問われている。

4. 結論:定規とペンで「物理的」に解け

資料読解を「感覚」で解いてはいけない。 問題を解く際は、以下の作業を徹底するべきだ。

  1. 設問のキーワード(日時、値段、条件)に線を引く。
  2. 資料の中から該当箇所を探し、丸で囲む。
  3. 「※注釈」や「条件」があれば、そこにも矢印を引く。

綺麗なまま問題用紙を残そうとする受験生は落ちる。 必要な情報を物理的にマーキングし、不要な情報を視界から消す。 この「情報処理」の作法を身につければ、資料読解は満点以外ありえない「ボーナスステージ」に変わる。

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この記事を書いた人

習志野受験研究所 所長/新・個別指導アシスト習志野校 塾長

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