※本記事は、客観的分析のため『だ・である調』で統一しています。
【千葉県公立入試・数学】「公式を覚えた」で安心するな。 ~7年間の沈黙が不気味な「空間図形の死角」~
千葉県公立入試の数学では、大問2以降の小問集合や大問4で「空間図形」が頻出である。近年の過去問を解いている受験生ほど、こう感じているはずだ。
「円錐の展開図」や「角錐・円錐」ばかり出る、と。
確かに2022年の構造改革以降、こうしたテーマが目立つ。 しかし、直近数年だけで対策を完結させる受験生は、別の種類のリスクを抱えることになる。
それは、出題が長く止まっている単元が“死角”になっていることである。 当研究所が過去問データを整理すると、千葉県入試には不気味な沈黙がある。
「球(半球を含む)」「回転体」「投影図」だ。
これらは決して「難問」ではない。出題されれば、本来は“知っていれば取れる/手順を知っていれば取れる”タイプになりやすい。
ところが空白期間が長いせいで準備不足を招き、「取れるはずの問題を落とす」要因になり得る。 本稿では、この空白が意味する危険性と、公式暗記だけでは崩れる空間図形の対策を解説する。
1. 不気味な沈黙の正体
まず事実を確認する。近年の千葉県入試では、次の単元が長く姿を消している(当研究所集計)。
- 球(半球を含む): 2018年を最後に出題が見当たらない
- 回転体: 2019年を最後に出題が見当たらない ,
- 投影図: 2018年を最後に出題が見当たらない
一方、それ以前は一定の頻度で出題されていた。 この沈黙を「もう出ない」と解釈するのは危険である。なぜなら、受験生の学習は直近のトレンドに偏りやすく、沈黙した単元ほど手薄になりやすいからだ。
もし今年、久しぶりにこれらが出題されたらどうなるか。 問題自体は難しくないのに、「あれ、公式なんだっけ?」「どういう図になるんだっけ?」と戸惑い、時間を溶かして自滅する受験生が出る。
入試は、手薄な場所ほど急所になり得る。
2. 「球」の攻略:まず“公式が即答できる状態”に戻せ
沈黙単元の中でも、特に「球」は準備不足がそのまま失点になりやすい。 球の基本は結局、ここに戻る。
- 体積: V = (4/3)πr³
- 表面積: S = 4πr²
この2つが即座に出てこないなら黄色信号だ。
「公式さえ覚えていれば取れたのに」という悔やみ方は、入試で最も避けなければならない。 久しぶりに球が出た場合、それは“知っているだけで点が入る”タイプになる可能性がある。今すぐ再確認しておこう。
3. 「回転体・投影図」の攻略:平面に戻せば怖くない
一方で、「回転体」と「投影図」は、公式暗記だけでは対応できない。 ここでの鉄則は、「立体を頭の中で回さず、2Dの情報として処理する」ことだ。
【回転体】の攻略
回転体は「回した後の立体」を想像して絵を描こうとすると、時間を浪費する上に図が歪む。 見るべきは「回転軸を含む平面図形(線対称な図形)」である。
- 軸に対してパタンと折り返した「平面図形(断面)」を描き、そこに長さや情報を書き込む。
- あとは円柱・円錐・(必要なら球)の基本公式の組み合わせで処理する。
【投影図】の攻略
投影図は「形を当てるクイズ」ではない。 正面・平面・側面の対応関係を、辺の長さ・位置関係として機械的に照合する作業である。
立面図(正面)と平面図(真上)の長さをリンクさせ、高さを確認する。ここでも「3Dを回す」のではなく、「2Dの情報を整理する」姿勢が正解への近道だ。
結論:トレンドと死角の両方をケアせよ
もちろん、近年頻出の「円錐の展開図」や「角錐の体積」は最優先である。 しかし、それだけで満足してはいけない。
「長く出ていない」ということは、出題された瞬間に準備不足の層と差がつくということだ。
- 球の公式は、今すぐ口に出せるか。
- 回転体は、回転軸を含む断面に落とせるか。
- 投影図は、対応関係を機械的に照合できるか。
難問を解けるようにする必要はない。教科書レベルの基本事項を確認しておくだけで、この死角はカバーできる。 油断を捨て、沈黙単元まで含めて準備を整えておくこと。それが千葉県入試を勝ち抜くための条件である。

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