【千葉県入試・国語】小説は「易化」していない。2025年追検査が示す「真の難易度」。

※本記事は、客観的分析のため『だ・である調』で統一しています。

2025年度(令和7年度)千葉県公立入試の国語を見て、特に「小説文」を見て、「記述が書きやすくなった」と感じた受験生もいるだろう。指定語句が与えられ、要素をつなぐことで解答を組み立てやすく見える”問題があったからだ。

しかし、そこで「もう千葉の国語は怖くない」と対策を緩めるのは危険である。

なぜなら、同じ年度の追検査では、従来どおりの「骨太な記述力」──つまり、本文の言葉を材料にしつつ、書かれていない部分を自分の語彙で補う力が試されていたからだ。

1. 追検査は「繋ぐだけ」で終わらない

追検査の小説問題では、花屋の店員が少女を見て「ヒマワリのようだ」と感じた理由を説明させる場面がある。ここで問われているのは、本文中の語を拾って並べる作業ではない。

指定語句として「宇田川」のような固有名詞が与えられたとしても、肝心の「どんな様子・どんな気持ちに見えたのか」という核心部分は、受験生自身が言葉を補わなければ解答にならない。

ここに、本検査で見られた“パズル感(単語連結)”とは別種の難しさがある。

2. “本文にない形容”を自分の語彙で作れるか

この問題の公表されている解答例では、正解として「晴れ晴れしい」という語が使われている。

だが、本文中に「晴れ晴れ」という単語は出てこない。あるのは「美しくて眩しいヒマワリ」といった情景描写である

つまり本問は、以下のような「翻訳」を求めているのだ。

  1. 情景描写: 「眩しい」「美しい」ヒマワリ
  2. 翻訳(人への適用): その映像を、人の様子に当てはめるなら?
  3. 出力(感情語・状態語): 明るい/晴れ晴れした/誇らしげな/前を向いている

ここで適切な語彙が出ない受験生は、本文の周辺をいくら探しても答えが作れない。 国語の記述は、抜き出しだけでは完結しない。描写を“感情語”に変換する力が得点を決めるのである。

3. 上位校狙いほど「最も厳しい出題」を基準にせよ

2026年の本検査がどうなるかは分からない。採点都合で“作りやすい形”が続く可能性もあれば、追検査のように補う力が前面に出る可能性もある。

上位校を狙うなら、想定すべきは当然、追検査型である。 もし補う形式に寄ったとき、「抜き出し」や「指定語句のパズル」しか練習していない受験生は崩れる。逆に、日頃から言い換え・言語化を鍛えていれば、どの形式でも落ちない。

4. 結論:解答を読むな。「翻訳の手順」を練習せよ

過去問の解説を読んで「そう書くのか」で終えるのは悪手である。必要なのは、解答そのものではなく、そこに至る翻訳の手順だ。 おすすめの復習法はこれである。

  1. 下線を引く: 記述の根拠となる描写(情景・行動)を見つける。
  2. 言い換える: その描写を「人の様子・気持ち」を表す言葉に、無理やり3つ言い換える(例:明るい/誇らしげ/晴れ晴れした)。
  3. 選ぶ: そのうち最も本文の空気に合う語を選び、理由(根拠の描写)と結びつけて一文で言い切る。。

この「本文→映像→感情語」の回路ができたとき、追検査型の記述は“国語”ではなく“作業”になる。

油断せず、準備の基準を高めに設定しておくことだ。千葉の小説問題が最後に問うのは、知識でもテクニックでもない――自分の言葉で補う力である。

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この記事を書いた人

習志野受験研究所 所長/新・個別指導アシスト習志野校 塾長

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