※本記事は、客観的分析のため『だ・である調』で統一しています。
【千葉県公立入試・社会】地形図は「絵」ではない。「計測」せよ。 ~方位・縮尺・断面図…過去14年のデータが示す「3つの作業」~
千葉県公立入試の社会(大問2・日本地理)において、ほぼ毎年出題されるのが「地形図」の読み取りだ。 多くの受験生は、これを「地図を見て、なんとなく正解を探すゲーム」だと思っている。
しかし、2012年から2025年までの過去14年分のデータを分析すると、そこには明確な「出題パターン」と、正解するために必要な「作業の手順」が存在する。
地形図問題は、視力検査ではない。「定規を使って計測し、論理的に絞り込むパズル」である。
今回は、千葉県入試で頻出する「方位」「縮尺」「断面図」の3大テーマについて、確実に正解をもぎ取るための鉄則を解説する。
1. 「方位」の鉄則:感覚を捨て、十字を引け
「地点Aから見て、地点Bはどの方位か?」 このタイプの問題は、2013年以降、1年おきのようなペースで出題され、直近の2022年以降もコンスタントに出題されている「鉄板問題」だ。
形式は記号選択であり、選択肢には「8方位(北東・北西・南東・南西)」が並ぶことが多い。 ここで一番やってはいけないのは、地図をぼんやり眺めて「だいたい右斜め上だから『北東』かな?」と感覚でマークすることだ。
地形図には「方位記号」がさりげなく書かれており、地図の「上」が必ずしも「真北」とは限らないケースもある。また、目視だけでは「北」と「北東」の境界線が曖昧になり、ミスを誘発する。
【攻略手順】
- 方位記号を探し、北を確認する。
- 「〜から見て」の基準点(地点A)の上に、定規を使って正確に「東西南北の十字」を書き込む。
- さらに45度の線(北東・南東…)も引く。
- 地点Bが「どのエリア(扇形)」に入っているかを確認し、記号を選ぶ。
「選択問題だからすぐ解ける」のではない。「線を引いて物理的に確定させる」のが、マークシートで失点しない唯一の方法だ。
2. 「縮尺」の鉄則:基本は「4cm=1km」。念のため確認せよ
「実際の距離はおよそ何kmか?」 縮尺を用いた計算も、2012年以降繰り返し出題されている頻出パターンだ。
過去14年間のデータを見る限り、千葉県入試で使われる地形図は「1/25,000」しか出題していない。 しかし、「どうせ今回も同じだ」と決めつけて確認を怠るのは危険だ。以下の手順で「確認」と「翻訳」を行え。
【攻略手順】
計算式を立てる前に、地図の端にある縮尺(または問題文)を必ず目で確認する。
Case A: 「1/25,000」の場合(千葉県の定石) 問題用紙の隅にこうメモする。 「地図上の4cm = 1km」 あとは定規で長さを測り、「4cmの何倍か?」を考えるだけでいい。 (測ったら2cmなら0.5km、6cmなら1.5kmだ)
Case B: 万が一「1/50,000」が出た場合 焦る必要はない。1/25,000の地図よりも「ギュッと縮小されている(同じ長さなら距離は2倍)」だけだ。 「地図上の2cm = 1km」 として処理すればよい。
ゼロの数を計算するのではなく、この「基準(何cmが1kmか)」をセットしてから定規を当てる。これがミスをゼロにする作法だ。
3. 「断面図」の鉄則:頂上と谷底をマークせよ
「地形図上の線分ア〜イの断面図として正しいものを選べ。」 この形式も、2015年や2019年などで出題されている(近年では文章選択肢の中で地形の起伏を問うケースも増えている)、千葉県特有のパターンだ。
等高線を一つ一つ追っていくと時間が足りない。 見るべきポイントは2つだけだ。
- 一番高いところ(山頂・尾根): 断面図の山が盛り上がっている位置と一致するか?
- 一番低いところ(川・谷): 断面図が凹んでいる位置と一致するか?
線分ア〜イが「どこで山頂を通り、どこで川をまたぐか」を地図上でマークし、選択肢のグラフと照合する。これだけで4択のうち2つは消せる。
結論:地形図は「作業量」で決まる
地形図問題で満点を取る条件。 それは、「問題用紙を汚すこと」を恐れないことだ。
- 基準点に十字を書き込む。
- 縮尺を確認し、「4cm=1km」等の基準をメモする。
- 山頂と谷の位置に印をつける。
綺麗なまま解こうとする受験生は落ちる。 図面を補助線だらけにして、物理的に正解を追い詰める「作業の鬼」になれ。

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