※本記事は、客観的分析のため『だ・である調』で統一しています。
【千葉県公立入試・数学】「文章題=連立方程式」の時代は終わった。 ~小問集合の「主役交代」を見抜けない受験生に待つ、時間切れの末路~
「方程式の文章題」と聞いて、何を思い浮かべるだろうか。
食塩水の濃度、速さと時間、池の周りを走る兄弟――。いわゆる「連立方程式の文章題」が真っ先に出てくるなら、その発想は一度アップデートした方がよい。
千葉県公立高校入試の小問集合(大問1)では、文章題の“主役”が交代している。
古い過去問集に合わせて「連立の文章題」を必死に回していると、戦う場所を間違えたまま本番に突入することになる。 本稿では、近年の出題データに基づき、千葉県の大問1で狙われている「新しい標的(2次方程式中心の立式)」と、その対策の優先順位を整理する。
1. データが語る「連立方程式の左遷」
結論から述べる。千葉県の大問1における「文章題枠」の中心は、連立方程式ではない。 2022年以降の大問1(小問集合)で見えるのは、2次方程式を軸にした立式・処理の反復である。
あなたが「文章題対策」として想定している“典型連立”(速さ・割合・濃度)は、この枠の中心から外れている。
大問1は、短時間で基礎学力を選別するための入口である。ここで長文の状況説明を読ませるより、短い日本語から式を立てさせて、処理の手順で差を付ける方が設計として合理的である。
今の千葉県入試において、「文章題=連立」という常識は、少なくとも大問1の優先順位としては古い。
2. なぜ「連立」ではなく「2次」なのか
理由はシンプルだ。2022年以降の構成では、序盤から実戦が始まるからだ。
この入口で求められるのは、「じっくり読んで解く力」ではなく、短い条件を瞬時にモデル化(立式)する力である。連立の典型文章題は、状況が複数登場し、文が長くなりやすい。
一方で2次方程式の立式問題は、条件文が短く作れる。「連続する整数」「面積」「2乗と2倍の和」といった形式は、文章は短いが、型を知らないと立式で止まる。 入口での選別として、これほど都合のよい問題はない。
3. 「解ける」では足りない。大問1は“迷わない”が正義だ
大問1で最も高くつくのは、計算ミスではなく「迷い」である。
2次方程式の文章題は、難問ではない。ただし、型を知らない受験生は毎回同じところで止まる。つまり、対策は「計算練習」よりも先にやるべきことがある。
結論はこれだ。 日本語→式の翻訳を、計算抜きで反復せよ。
以下の3テンプレを、まず暗記レベルまで落とし込むこと。
(A)数の性質:連続する整数
- 「連続する3つの整数」 → 中央を x として、 x-1, x, x+1
- 「連続する3つの正の整数」 → 同じ(答えの範囲は“正”で判断する)
(B)式の言い換え:2乗と2倍・和と差
- 「ある数の2乗と2倍の和」 → x^2 + 2x
- 「…に3を足したもの」 → +3
- 「…の和が○」 → = ○
(C)図形:面積・辺を文字で置く
- 「長方形の面積」 → 縦×横 の式をまず作る
- 「横が縦より○大きい」 → 横 = 縦 + ○ ここで止まらず、即 x を置いて一行で書けるようにする
この段階では、解の公式で解き切る必要はない。 式が立った時点で勝ちである。大問1の文章題枠で必要なのは、ここまでだ。
4. 結論:対策の優先順位を書き換えろ
もちろん、連立方程式が不要になるわけではない。連立は今後もどこかで出る。ただし、直前期の優先順位は別物である。
- 2次方程式中心の立式(数・面積・短文条件) を最優先で固める
- 連立方程式は「文章題」ではなく、まず 計算 として確実に解ける状態にする
- 余裕があれば、連立の文章題(割合・速さ・濃度)へ広げる
「文章題=連立」という古い脳内地図を捨て、「今は2次(立式)で選別される」と認識を更新せよ。
それが、大問1を無傷で突破し、後半の勝負所に時間を残すための条件である。

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