※本記事は、客観的分析のため『だ・である調』で統一しています。
【千葉県公立入試】理科・天気(完結編)。暗記を捨てよ、これは「空気の物理」だ。記述と計算を制圧する最終講義
序論:理科を「暗記科目」と侮るな
「天気なんて、用語を覚えればなんとかなる」
そう高を括っている受験生ほど、入試本番で「記述の空白」を作って散っていく。
千葉県公立入試の天気分野において、単語の穴埋めは通過点にすぎない。
真に問われるのは、「雲ができるプロセス」や「風が吹くメカニズム」を、科学的なロジックで説明できる能力だ。
これはもはや地学ではない。「空気の物理」である。
本稿では、天気シリーズ最終回として、千葉県が好む「実験・記述」の鉄板パターンと、近年の公立入試で見られる「計算重視(理系脳)」の出題傾向を解剖する。
1. 記述の鉄板①:雲の発生は「4ステップ」で刻め
千葉県入試で頻出なのが、フラスコや注射器を使った「雲の発生実験」だ(2019年・2025年類題など)。 「なぜ雲ができるのか?」という問いに対し、「冷やされて水滴になる」といった曖昧な説明では点にならない。必要なのは、因果を以下の4段階で接続することである。
【雲の4ステップ】
- 気圧が下がる(空気が膨張する)
- 温度が下がる(断熱膨張)
- 露点に達する
- 水蒸気が水滴(凝結)になる
つまり、
「気圧↓ $\rightarrow$ 温度↓ $\rightarrow$ 露点 $\rightarrow$ 水滴」
この矢印がつながらない限り、雲は発生しない。
この4段階を正確に書けるかどうかが、トップ校への入場券である。
2. 記述の鉄板②:風の正体は「密度差 $\rightarrow$ 気圧差」である
「海陸風」や「季節風」のメカニズムも、千葉県の好物だ(2020年・2013年など)。 「昼は海風、夜は陸風」と丸暗記しても、理由を問われた瞬間に沈黙する者は多い。
風とは何か。
それは空気の移動であり、その原因は「温度差による密度差」、そしてその結果として生じる「気圧差」である。
【記述の型:海風(昼)の場合】
- 陸の方が海より温まりやすい(比熱の違い)。
- 陸上の空気が温められ、密度が小さくなって上昇する(上昇気流)。
- 地表付近の気圧が下がり、陸上が低気圧になる。
- その隙間を埋めるように、海から陸へ空気が流れ込む。
要するに、
「暖められた空気は軽くなる(密度が小さくなる)」
この物理法則さえ理解していれば、冬の季節風も台風も、すべて同じ論理で説明できる。
3. 忍び寄る「計算する天気」:暗記勢を仕留める新型
ここで視座を高くしよう。 2025年の全国公立入試には、天気を「計算」で処理させる問題が出題される例がある 。 千葉県がこれを取り入れても不思議ではない。思考力重視の県ほど、「理屈が分かっていない暗記勢」を落とすために、計算を混ぜてくるからだ。
トレンドA:フェーン現象と「高度計算」
「山を越えた空気は何度になるか?」 この問いに対して、温度変化のルールを使い分けさせる出題例がある 。 ポイントは単純で、問題文に書かれたルール(定義)に従って計算するだけだ。
- 定義例:「100m上昇で1℃下がる」「雲ができたら0.5℃下がる」など。
見た目の難しさに惑わされず、ただの「温度変化の作業」に落とし込め。
トレンドB:天気図と「圧力(Pa)」の融合
天気図の問題に、中1物理の「圧力」を絡めてくる出題例もある 。 「1気圧=1013hPa=約100,000Pa」 といった知識を利用し、空気の力や質量に接続させる。これは理科の総合力を試すフィルターとして機能する。
対策:数字に怯えるな
もし入試会場で見たことのない計算が出ても、焦る必要はない。
問題文には必ず「100mで1℃下がる」「100gで1Nとする」といったルール(定義)が書いてある。
やることは同じだ。
- 定義確認(問題文のルールを見つける)
- 式に配置(分数にする)
- 約分(数字を簡単にする)
- 計算(答えを出す)
淡々と処理せよ。
「天気=暗記」という固定観念を捨て、「その場で計算する準備」をしておくこと。それが最大の防御になる。
結論:物理法則を味方につけろ
天気シリーズ全3回を通して伝えたかったことは一つである。
「理科は、理屈(ロジック)の学問である」
- 湿度は「割り算」の作業。
- 天気図は「動画」の再生。
- 記述は「物理法則」の翻訳。
この視点を持った君にとって、天気分野はもはや「不確定な自然現象」ではない。
確実に得点できる「計算された物理現象」である。
これで、天気の準備は整った。自信を持って本番に挑んでほしい。

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