【千葉県公立入試】天気の湿度計算。「昨年出たから安心」が最大の罠。作業化する3つの鉄則

※本記事は、客観的分析のため『だ・である調』で統一しています。

目次

序論:大問で出なくとも「小問」が狙っている

「2025年度入試で湿度の計算が出たから、2026年は出ないだろう」

受験直前期、こうした安易な予測にすがりたくなる心理は理解できる。

確かに、2年連続で「大問」として出題される可能性は低いかもしれない。

しかし、千葉県公立入試には「小問集合(大問1)」という枠が存在する。大問から外れた単元こそ、この小問集合でピンポイントに狙撃されるのが入試のセオリーだ。

「大問では出ない」と高を括って無防備でいると、開始直後の小問で計算を突きつけられ、出鼻をくじかれることになる。

湿度の計算は、大問・小問問わず、どこで問われてもおかしくない基礎教養だ。トップ校を目指すなら、ここを「完全な得点源」に変えておく必要がある。

本稿では、過去14年(2012〜2025年)の出題データに基づき、千葉県が好む「湿度計算の3パターン」を体系化する。

これを一読し、湿度の計算を「悩む数学」ではなく「淡々と処理する作業」に変えてしまおう。

1. 敵を知る:千葉県型「湿度計算」3つの基本形

過去の膨大なデータを分析すると、問われるパターンは以下の3つに集約される。

パターンA:基本の「コップ実験」(2025年型)

最もオーソドックスな、金属製コップを用いた実験だ 。 水を冷やしていき、コップの表面が曇り始めた温度(露点)を測定する。

  • 処理の鉄則:「くもり始めの温度(露点)が分かった瞬間、その空気の水蒸気量は『露点の飽和水蒸気量』として確定する」これを反射的に言語化できるかが全てだ。 「露点そのもの(温度)」を計算に使うのではない。「露点という鍵を使って、表から水蒸気量を取り出す」のだ。2025年はここに「加湿器」という条件が加わったが、本質は変わらない 。

パターンB:時系列データの「逆相関」(2015年型)

1時間ごとに室温と水温を測定し、そこから湿度を算出させるタイプだ 。 ここで重要なのは計算以前に、「グラフの形」を知っているかどうかだ。

  • 処理の鉄則:「(水蒸気量が一定なら)気温が上がれば、湿度は下がる」晴れた日であれば、気温と湿度は鏡のような「逆の動き(逆相関)」をする 。計算するまでもなく、グラフの形状だけで選択肢を絞り込めるケースが多い。この「条件付きの法則」を知っているだけで、時間の使い方が劇的に変わる。

パターンC:霧の「発生時刻」(2013年型)

受験生が最も苦手とし、差がつくのがこのパターンだ 。 「気温が下がり、いつ霧が発生するか(湿度が100%になるか)」を問う。

  • 処理の鉄則:「飽和水蒸気量の枠が縮んでいくイメージ」を持つこと。現在の水蒸気量は変わらない。気温が下がって「定員(飽和水蒸気量)」が減り、定員オーバーになった瞬間に霧が出る。

2. 戦略的介入:割り算をするな、「分数」を作れ

湿度計算でミスをする生徒の共通点は、いきなり筆算を始めることだ。

計算は最後の手段である。まずは以下の「型」に、表の数字を配置する作業に全集中すべきだ。

$$湿度(\%) = \frac{\text{露点での飽和水蒸気量}}{\text{現在の気温での飽和水蒸気量}} \times 100$$

当研究所ではこれを、さらに実践的な「作業手順」として定義する。

手順①:分母(定員)を決める

問題文にある「現在の気温」を見る。

表の中から、その気温に対応する飽和水蒸気量(g/m³)を探し、分母に置く。

手順②:分子(乗客)を決める

問題文にある「露点(くもり始めの温度)」を見る。

表の中から、その温度に対応する飽和水蒸気量(g/m³)を探し、分子に置く。

※もし露点が書いてなければ、「その空気1m³に含まれる量」をそのまま分子に置く。

手順③:約分して処理する

いきなり割り算をしてはいけない。

分数を作ったら、まずは約分できるか試みる。数字を小さくしてから計算することで、ケアレスミスの確率は劇的に下がる。

3. 2026年への対策:応用への耐性をつける

2025年の入試では、「加湿器を使って水蒸気を足す」という応用が出題された 。 一見難しそうだが、これも上記の「分数作業」で解決する。

  • 「水蒸気を足す」 $\rightarrow$ 「分子の数字が増える」
  • 「除湿する」 $\rightarrow$ 「分子の数字が減る」

ただそれだけのことだ。「難問」というノイズに惑わされず、単純な足し算・引き算の問題に落とし込む冷静さが求められる。

結論:ローリスク・ハイリターンの保険

ここまで読んだ君なら分かるはずだ。この対策にかかる時間は、せいぜい10分程度だということ。

たった10分の確認で、入試本番の「3点」を確実に守れるなら、これほどコストパフォーマンスの良い投資はない。

計算が出ないならそれでよし。出たら「作業」として即座に処理して、周りが動揺している間に次の問題へ進めばいい。

次回は、本命視される「天気図・前線の読み取り」について徹底分析を行う。

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この記事を書いた人

習志野受験研究所 所長/新・個別指導アシスト習志野校 塾長

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