※本記事は、客観的分析のため『だ・である調』で統一しています。
【千葉県公立入試】時事問題は「1〜2年前」を狙え。2026年度・社会「戦略的」予想リスト
公立高校入試を直前に控え、多くの受験生が書店で「重大ニュース」系の対策本を買い込み、暗記を始める時期だろう。
ただ、千葉県の社会に関しては、その努力がそのまま得点に直結するとは限らない。 千葉県入試の時事問題には、「題材が出題されるまでのタイムラグ」 があるからだ。
習志野受験研究所では、直近の過去問(2021〜2025)を確認し、時事が「最新ニュース」ではなく、統計・資料として整理された題材から出やすいことを前提に対策を組み立てている。
目次
1. 法則:なぜ「最新ニュース」を追うほど危ないのか
過去問を見る限り、千葉県公立入試の時事は、ニュースそのものを問うというより、資料・グラフに落とした形で問われやすい。
その結果、題材の「旬」は 入試の直前ではなく、1〜2年ほど前 に寄ることが多い。 たとえば、
- 2021年入試では、電子マネー利用の統計(2015〜2019の推移・2019年の状況)を材料に、消費・決済の変化を読ませる問題が出ている。(※2019年10月のポイント還元事業が背景)
- 2022年入試では、2020年に発効した新協定 「USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)」 が、旧来のNAFTAに代わる正解として出題されている。(※発効から約1年半後の出題)
- 2023年入試:2021年10月に行われた 「衆議院議員総選挙」 に関連し、その直後に召集された「特別会(特別国会)」の定義を問うた。(※選挙から約1年4ヶ月後の出題)
- 2024年入試:長引く 「物価高騰(インフレ)」 を背景に、公民の「需要・供給曲線」や「金融政策」の理論を真正面から問うた。(※2022年からの継続トレンド)
- 2025年入試では、主要国の電源構成(2022年)を示す資料から、エネルギーや政策の論点に接続させる設問が出ている。これは 2023年4月の「ドイツ脱原発完了」 というニュースが引き金となり、そこから逆算して「直前(2022年)のデータの読み取り」が求められた典型例である。(※出典は2023年9月発売の『世界国勢図会』)
この「時間差」が生まれる理由は公表されていないため断定はできないが、少なくとも出題側が好む形が 「ニュース」ではなく「教科書に接続できる資料」 である以上、次の要因は想定しておくべきだ。
- 統計の確定(統計ラグ) 出来事が起きても、結果が公的統計や白書の形で整理され、設問に使えるグラフになるまでには時間がかかる。
- 論点の定着(評価の成熟) 直後は情報が揺れやすい。授業で扱える「説明の型」(原因・結果、メリット・デメリット)が固まってからの方が問題にしやすい。
- 教科書との接続(単元リンク) 入試はニュース番組ではない。地理・公民・歴史の どの単元で説明できるか が定まって初めて、得点化できる題材になる。
結論として、2026年入試で「軸」になりやすいのは、2025年の最新ニュースというより、2024年を中心に整理された題材である。
2. 予測:2026年度入試「戦略的」予想リスト
【Sランク:統計・記述に直結】
① 新紙幣の発行(2024年7月)
- 方向性: 肖像クイズではなく、「貨幣・金融」「産業史」「技術」の接続。
- 歴史: 明治の産業(富岡製糸場、銀行制度など)
- 公民: 日本銀行、発券の仕組み、偽造防止技術
- 教科書で開くべき単元(キーワード):
- 公民=金融(日本銀行・貨幣の役割・景気)
- 歴史=明治の産業(殖産興業・銀行・製糸)
- 【狙われやすい資料】 日本銀行券の変遷、偽造防止技術の図解
② 物流「2024年問題」(働き方改革)
- 方向性: 現象ではなく、グラフ・制度・産業構造で問われる形が作りやすい。
- 公民: 労働時間、労働条件、法改正
- 地理: 輸送手段の比率、環境負荷、モーダルシフト
- 教科書で開くべき単元(キーワード):
- 公民=労働(働き方・労働条件・法)
- 地理=交通・物流(輸送手段・結びつき・環境負荷)
- 【狙われやすい資料】 労働時間の推移グラフ、輸送手段分担率の帯グラフ
【Aランク:地理×社会(歴史・公民)の複合】
③ 北陸新幹線の延伸(金沢〜敦賀間/2024年3月)
- 方向性: 交通網+地域への影響(人口、産業、都市への吸引)
- 併せて: 地形・防災と絡めた設問にも接続しやすい
- 教科書で開くべき単元(キーワード):
- 地理=交通網と地域(人口移動・地域産業・都市の働き)
- 地理=自然災害(地形・防災)
- 【狙われやすい資料】 新幹線ルート地図、ストロー現象を示す人口移動図
④ 佐渡島の金山 世界遺産登録(2024年7月)
- 方向性: 世界遺産は「単独暗記」では終わらず、気候・歴史とセットになりやすい。
- 歴史: 幕府が直接支配した「直轄地(幕府領)」としての重要性。
- 地理: 日本海側の気候(雨温図など)
- 教科書で開くべき単元(キーワード):
- 歴史=江戸の政治と社会(幕府の財政・大名の配置と直轄領・貨幣)、産業と交通
- 地理=気候(日本海側・季節風・雨温図)
- 【狙われやすい資料】 佐渡(相川)の雨温図、江戸時代の大名の配置図
【Bランク:経済・国際】
⑤ 株価史上最高値と円安(2024年前半〜)
- 方向性: 1980年代後半(バブル)との比較、企業活動と為替の影響。
- 公民: 株式会社、貿易、円高円安の影響
- 教科書で開くべき単元(キーワード):
- 公民=市場経済(株式会社・貿易・為替)
- 歴史=現代の日本経済(高度経済成長〜バブル)
- 【狙われやすい資料】 為替レートの変動グラフ、株価推移グラフ
3. 結論:ニュースを見るな、教科書を見ろ
時事問題対策とは、ニュースを暗記することではない。「その題材は、教科書のどの単元で説明できるか」を特定し、知識を再点検する作業である。
上の候補を見たら、次にやることは一つだ。
- 「新紙幣」→ 金融と明治産業
- 「物流」→ 労働のルールと輸送
- 「佐渡」→ 江戸の財政と日本海側の気候
このように、ニュースを入口にして、教科書の単元へ戻る。 これが、千葉県公立入試の「時事」を最短で得点に変える正攻法である。

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