※本記事は、客観的分析のため『だ・である調』で統一しています。
【中3理科・金星】「満ち欠け」を暗記している君は落ちる。千葉県入試が問う「空間図形」としての天体攻略
1. 弱点の正体:君たちは「おまじない」で受験するつもりか
千葉県公立入試の理科において、多くの受験生が自滅する分野がある。天体、特に「金星の満ち欠け」だ。
指導現場を見ていると、非効率な光景に出くわす。「右が光っているときは西の空」「よいの明星は宵っ張り」などという、意味不明な語呂合わせや呪文を必死に暗記しているのだ。
断言する。その学習法は、千葉県入試では通用しない。
なぜなら、千葉県の作問者は、君たちがそのような「浅い暗記」で乗り切ろうとしていることを見透かしているからだ。 過去の入試データを分析すれば、出題者の意図は明白である。彼らが求めているのは、天体の知識ではない。 「宇宙空間を脳内で構築できるか」という「空間認識能力(幾何学)」である。
本稿では、過去問のファクトに基づき、金星という天体を「暗記科目」から「幾何学問題」へと再定義する。
2. 分析:千葉県入試が好む「罠」の傾向
保有している膨大な過去問データの中から、象徴的な出題パターンを抽出した。
パターンA:距離と見え方の「逆相関」
2012年、2015年、そして直近の2022年と、繰り返し問われるテーマがある。それは「地球との距離」と「見かけの大きさ・形」の連動性だ。
多くの受験生は、「満ちていく」=「大きくなる」という、月の満ち欠けのイメージを引きずって誤答する。金星は逆だ。
- 地球に近づく
→ 大きく見える
→ だが、太陽を背にする位置に来るため、光る部分は減る(三日月型になる)。 - 地球から遠ざかる
→ 小さく見える
→ だが、太陽の光を正面から受けるため、丸く見える(満月型になる)。
「大きくて丸い金星」は存在しない。 この物理的なジレンマ(逆相関)を理解せず、単に形だけ覚えようとするから、選択肢で迷うことになる。
パターンB:「角度計算」へのシフト
さらに厄介なのが、2020年の出題である。 ここでは単なる位置関係だけでなく、公転周期から「1ヶ月あたりの移動角」を計算させる工程が入り込む(約48°)。
ここまで来ると、「宵の明星」などの暗記では処理不能だ。 必要なのは、俯瞰図を固定し、角度を更新し、見え方を再計算する――つまり、「回転移動を含む図形問題」の操作である。
3. 攻略の核心:定規一本で宇宙を制圧する「俯瞰の視点」
では、どうすればよいか。答えはシンプルだ。 地上からの視点(暗記)を捨て、宇宙空間からの視点(作図)を手に入れることだ。
試験開始と同時に、問題用紙の余白に以下の「設計図」を描け。これさえあれば、すべての問題は単純作業と化す。
手順①:「神の視点」を描く
北極側から見た「太陽・金星・地球」の配置図(同心円)をフリーハンドで描く。これがすべての基準だ。
手順②:地球から「自転」と「視線」を書き込む
地球の位置に、自転の向き(反時計回り)を矢印で書き込む。 その矢印をたどれば、自分が今、「夕方側に立っているのか(これから夜になる境界線)」、それとも「明け方側に立っているのか(これから昼になる境界線)」が一目瞭然となる。 あとは、その観測地点から金星に向かって直線を引くだけだ。暗記など不要。線を引けば、そこがいつ、どの方角か、図形が教えてくれる。
手順③:「光の当たり方」を塗りつぶす
金星の、太陽を向いている半分を白く、反対側を黒く塗る。そして、地球からの視線に対して「どれだけの割合が白く見えるか」を確認する。
- 金星が手前(内側)にあれば、地球からは「影(黒)」ばかり見える → 大きく見えるが、形は三日月。
- 金星が奥(外側)にあれば、地球からは「光(白)」がよく見える → 小さく見えるが、形は満月。
この3工程を毎回行えば、暗記に頼る必要は一切なくなる。
4. 結論:理科を「数学」として処理せよ
「よいの明星」という言葉を覚える暇があったら、コンパスと定規の使い方を練習すべきだ。
千葉県入試の天体分野において、高得点を取る生徒の思考回路は完全に「数学」である。 彼らは夜空を見上げているのではない。脳内で図形を回転させ、相似比を計算し、接線を引いているのだ。
「理科=暗記」という古いOS(思考)は、今すぐアンインストールしろ。 それができなければ、入試当日の極限状態で、君の記憶は必ずバグを起こす。
逆に、この「作図による解法」という武器さえインストールしておけば、どんな変化球が来ようとも、冷静に作業として正解を導き出せるはずだ。

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