※本記事は、客観的分析のため『だ・である調』で統一しています。
【中3理科・天体】透明半球は「理科」ではない。「算数」だ。千葉県入試データが示す「得点の正体」
1. つまずきの原因:空を見上げるな、計算用紙を見ろ
今回は、太陽と星の動きについてだ。
結論から言う。千葉県公立入試において、透明半球や星の動きの問題は、理科ではない。「速さ・時間・道のり」の「算数(比例計算)」である。
多くの受験生が、「太陽が東から昇って…」と頭の中でイメージを膨らませようとして混乱する。
だが、過去の入試データを分析すると、出題者が求めているのはロマンチックな天体観測ではなく、冷徹な「数値処理能力」であることが明白となる。
本稿では、頻出する2つの計算パターンを、論理的に解説する。
2. 分析:透明半球は「定規と比例」の問題である
まず、透明半球の問題を見てみよう。多くの生徒が、半球上のカーブを見て「立体」として捉えようとし、思考停止する。
だが、千葉県の出題パターンにおいては、あれは単なる「数直線」に過ぎない。
出題データ:2019・2025に共通する「1時間=2.4cm」
透明半球で問われているのは、曲線の意味ではない。「一定の速さで進む」という前提のもと、比例計算を正確に処理できるかである。
実際、2019年と2025年の過去問を比較すると、興味深い事実が浮かび上がる。
- 2025年: 1時間の移動距離が 2.4cm。11.2cm移動するのにかかる時間を求めよ。
- 2019年: 1時間の移動距離が 2.4cm。8.6cm移動するのにかかる時間を求めよ。
数値設定(2.4cm)まで酷似している。これは偶然かもしれないが、千葉県がこの形式で「比の計算」ができるかを執拗に試している事実は揺るがない。
攻略の核心:換算レートの固定
この問題に必要なのは天体の知識ではない。以下の「比の計算」だ。
いきなり割り算をするのではなく、まず基準(レート)を作る。
- 基準: $2.4cm = 60分$
- 簡易化: $1cm = 25分$ (両辺を2.4で割る)
- 計算: $道のり(cm) \times 25分 = 所要時間$
2025年の問題であれば、「11.2cm × 25分」を計算するだけだ。
太陽の動きをイメージする必要などない。ただ、淡々とcmを分に換算すればよい。
3. 分析:星の動きは「単位変換」を知っていれば即答できる
次に、星の動き(年周運動・日周運動)だ。
「1ヶ月後の午後9時にはどこに見えるか?」といった問題で、多くの生徒が混乱する。
これも、千葉県の過去問データを見れば、ただの**「単位変換」**であることがわかる。
攻略の核心:換算レート+方向
星の動きで迷わないための鉄則は、以下の**「換算レート」**を暗記し、すべてを「時間」に変換することだ。
- 日周運動: 1時間 = $15^\circ$
- 年周運動: 1ヶ月 = $30^\circ$
この2つを組み合わせると、最強の公式が生まれる。
$$1ヶ月 = 30^\circ = 2時間$$
注意点:方向(ベクトル)の定義
ここで唯一、理科的な知識が必要になるのが「方向」だ。
星は、季節が進むにつれて「先回り」しようとする。つまり、同じ時刻に見える位置は**「西へ(進む方向へ)」**ズレていく。
- 1ヶ月後 → $30^\circ$(2時間分)西へ進んでいる。
- 1ヶ月後 → 同じ位置に見えるのは、2時間早い時刻である。
問題文が「位置」を問うているのか、「時刻」を問うているのか。それさえ見誤らなければ、あとは「1ヶ月=2時間」のレートで変換するだけの単純作業となる。
4. 結論:ロマンを捨てろ、数字を信じろ
千葉県の理科(天体)で高得点を取る生徒は、夜空に思いを馳せたりはしない。
彼らは問題文から「2.4」や「30」という数字だけを抜き出し、淡々と換算を行っている。
- 透明半球は、「1cm=25分」の比例計算だ。
- 星の動きは、「1ヶ月=2時間」の単位変換だ。
この「無機質な視点」を持てるかどうかが、合否を分ける。
「理科が苦手」なのではない。「計算」から逃げているだけだ。
習志野受験研究所では、このように入試問題を「学問」としてではなく、「攻略すべきターゲット」として分解し、最短ルートでの得点力向上を指導する。
冬期講習で「星座早見盤の使い方」をのんびり習っている暇があるなら、今すぐ計算ドリルを開くべきだ。

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