※本記事は、客観的分析のため『だ・である調』で統一しています。
【千葉県公立入試】数学・作図は「ひらめき」ではない。正答率1.9%も秒殺する「3つの翻訳定石」
1. 導入:作図を「捨て問」にするな
多くの受験生が、作図(大問1の最後など)を
- ひらめいたら解く
- わからなかったら飛ばす
という「ギャンブル枠」にしている。
この傾向は、過去の正答率にもはっきり表れている。
千葉県公立入試の作図問題を分析すると、正答率が50%を超える年がある一方で、最小値は 1.9%(2017年前期)という衝撃的な低さを記録している。
平均しても30%前後の年が多く、年によっては受験生のほとんどが「手も付けられていない」状態になる、かなり危険な単元だ。
しかし、この「1.9%」を記録したような難問年であっても、これから解説する定石を知っていれば、ものの数分で正解にたどり着けた。
作図に「センス」や「ひらめき」は一切いらない。
必要なのは、問題文の日本語の条件を数学の記号に変換する「翻訳能力」だけだ。コンパスを持つ前に、勝負はすでに決まっている。
ラボの独自視点:千葉県作図の3タイプ
習志野受験研究所では、千葉県の過去問を次の3タイプに分類している。
- タイプA: “等距離”だけで決まる(垂直二等分線オンリーで解ける基礎型)
- タイプB: “等距離+接点”など2つの条件が絡む(複合型)
- タイプC: 折り目・円周角など文章が長く、翻訳ミスを誘う(長文読解型)
このあと紹介する「3つの武器」と「翻訳テーブル」は、この全タイプを機械的に処理するための土台になる。
2. 基礎理論:武器は3つしかない
中学数学の作図で使うツールは、実は次の3つしかない。
千葉県の入試問題も、この3つの組み合わせだけで全て解ける。
- 垂直二等分線
- 意味:2つの点からの距離が等しい場所(線)を探す。
- 角の二等分線
- 意味:2つの直線からの距離が等しい場所(線)を探す。
- 垂線
- 意味:点から直線までの最短距離(高さ)を求める。
重要なのは、「作図の書き方」を知っているかどうかではない。
問題文の日本語を見た瞬間に、「どのツールを使うべきか」を判断できるかどうかである。
3. 習志野受験研究所式「翻訳テーブル」
問題文の「日本語の条件」を見た瞬間に、どのツールを使うか即断するための翻訳表を公開する。
| 問題文のキーワード | 使うべきツール(定石) | 理由 |
| 2点 A, Bから等しい距離 | 垂直二等分線 | 垂直二等分線上は、2点からの距離が等しいから。 |
| 2直線 $\ell$, $m$ から等しい距離 | 角の二等分線 | 角の二等分線上は、2辺からの距離が等しいから。 |
| 点Aと点Bが重なる(折り目) | 垂直二等分線 | 折り目の線は、対応する2点の垂直二等分線になるから。 |
| 点Aから直線 $\ell$ までの最短距離 | 垂線 | 最短距離は、直線に対して垂直になるから。 |
| 円の接線 / 接する / 接点 | 垂線 | 半径と接線は、接点で垂直に交わるから。 |
千葉県の入試問題は、基本的にこれらの条件が「複合」しているだけである。
- 「点」がキーワードになっていれば垂直二等分線
- 「線(辺)」がキーワードなら角の二等分線
と、機械的に判断してしまおう。
実践例:難問も「翻訳」で単純作業になる
例えば、正答率が一桁台になるような難問でも、問題文の条件を分解すればやることはシンプルだ。
「点Aから直線 $\ell$ までの距離が最も短く」かつ「点Aと点Bからの距離が等しい」点Pを作図せよ
一見難しそうだが、これを翻訳テーブルに当てはめると、やるべきことは2つだけになる。
- 「最短距離」 → 垂線 を引く
- 「AとBからの距離が等しい」 → 垂直二等分線 を引く
この2本の線の交点が答えだ。
「難問」の正体は、ただの「基本作業の組み合わせ」に過ぎない。
4. 実践:千葉県型問題の攻略プロセス
作図は「作業」であり、絶対にコンパスを先に持つべきではない。
次の手順を徹底すれば、作図の失敗はかなり減らせる。
Step1:条件の翻訳
問題文の「等しい」「最短」「折り目」といったキーワードに下線を引き、上の翻訳テーブルから使うツールを決める。
Step2:フリーハンドでラフを描く(最重要)
いきなりコンパスを使わず、問題用紙のすみなどに「完成予想図」をフリーハンドで小さく描く。
「ここが垂直で、ここが等しいから、交点はこのあたりになりそうだな」と、だいたいの形を頭の中で作っておく。
Step3:作図アルゴリズムの実行
ラフ図を見ながら、決めたツールを順番に使って線を引いていく。
ここまでくれば、あとは「手順どおりに作業するだけ」の状態になっているはずだ。
5. 結論:作図は才能ではなく手順
作図ができないのは、図形の才能がないからではない。
ほとんどの場合、「条件の翻訳」と「作業の手順」を間違えているだけである。
※本記事のデータは、千葉県教育委員会が公表している入試結果データをもとに、当研究所が集計したものである。
ラボの授業では、この16問を「翻訳テーブル」の練習台として順番に処理していき、「初見でも8割以上取れる状態」を1つの到達目標としている。
この翻訳テーブルを頭に入れておけば、作図の得点は、君が思っているよりずっと簡単に手に入る。
【この「解法」を、君の武器にできるか】
今回紹介した考え方は、当研究所で指導している戦術のほんの一部にすぎない。
実際の授業では、さらに複雑な複合問題や、円を用いた応用パターンも、この「翻訳」の技術で次々と処理していく。
「なんとなく」でコンパスを回すのをやめ、論理的に正解を取りに行きたい受験生は、新・個別指導アシスト習志野校の門を叩いてほしい。

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