【東邦大東邦中】算数45分の意味。「難問」ではなく「処理能力」を問う、医学部付属校のメッセージを読み解く。

※本記事は、客観的分析のため『だ・である調』で統一しています。

目次

1.東邦が求める「45分間の適性」

東邦大学付属東邦中学校。この学校の算数入試には、はっきりした特徴がある。
それは試験時間が45分という短さだ。

一般的な難関校、たとえば併願の軸になりやすい市川中学校や昭和学院秀英中学校が50分を与えるのに対し、東邦はあえて5分削っている

この「たった5分」の差は、単なる形式上の違いではない。
医学部を擁する大学の付属校として、

「限られた時間の中で、正確に処理し続ける力があるか」

を測ろうとする、はっきりしたメッセージだと考えられる。

本稿では、直近5年分(2021〜2025年度)の算数入試をデータとして使い、東邦の算数がどのような力を見ているのかを整理する。(※当研究所で実施した本試験問題の分類・集計に基づく)

東邦が求めているのは、難問をじっくり時間をかけて解く「学者タイプ」ではない。
限られた時間の中で、正確に処理し続ける「実務家タイプ」の素質である。


2.データで読む「東邦算数」のこだわり

鉄則1:「食塩水」への執着は、適性検査である

直近5年分の入試データを分析すると、もっとも一貫しているのは食塩水(濃度算)の出題率の高さだ。

  • 2021〜2025年度、5年連続で出題(出題率100%)
  • 濃度が 2.5%・9.6% など、計算がやや面倒な数値になることが多い

食塩水の問題自体は、決して奇抜な設定ではない。
しかし、少し厄介な数値を「作業として正確に処理できるか」を問うことで、

  • 実験データや検査値を扱う
  • 小数や割合をミスなく扱う

といった、理系人材としての基礎体力を測っていると解釈できる。

食塩水は「ひらめき」ではなく、決めた手順をどれだけ乱れずに回し続けられるかを見る問題だと認識してほしい。

鉄則2:立体図形は「空間認識能力」のテスト

後半の大問では、ほぼ毎年のように立体図形が登場する。

年度大問主なテーマ
2025大問4正八面体の表面上の最短距離(展開図)
2024大問43方向から見た図(投影図)から表面積・体積
2023大問427個の小立方体の切断と個数
2022大問4立方体の切断と体積・表面積(類題)
2021大問4立体の組み合わせと体積比

(※2022・2021のテーマ名は当研究所による分類)

ここで問われているのは、公式の暗記だけではない。

  • 立体を頭の中で回転させる
  • 展開図を組み立て直す
  • 見えない部分を脳内で補ってイメージする

実際、2025年の入試でも「正八面体の展開図」から最短距離を考える問題が出題されている。これは公式を覚えているだけでは太刀打ちできない、「頭の中で組み立てる力」を問う良問だ。

こうした空間認識能力が、45分という短い時間の中で試されている。

「目の前にないものを、頭の中で素早く・正確にイメージできるか」

この力は、将来、医学・工学の分野で立体構造やデータを扱う際にも欠かせない素質だ。


3.45分入試が求めるのは「正確無比なスピード」

以上のデータから分かるように、東邦大東邦の算数は「奇問・難問」で受験生をふるい落とすタイプの入試ではない。

むしろ、

  • 標準〜やや難レベルの問題を
  • 落とさず・飛ばさず・正確に処理し続けること

を強く求めている入試だと言える。

合格ライン付近の受験生に必要なのは、次の3点である。

  1. 食塩水は“瞬殺”レベルまで仕上げる
    • 手順を機械化し、多少数値が面倒でも迷わず処理できるようにする
    • 途中式の書き方もパターン化しておく
  2. 立体図形は「脳内で回す・描く」練習を重ねる
    • 展開図を書くだけでなく、
      「切る前/切った後」を頭の中で何度もシミュレーションする
    • 市販の立体パズルやブロックを使ったトレーニングも有効
  3. 規則性の問題は、小さな例で“実験”して見抜く癖をつける
    • いきなり一般化しようとせず、まずは1・2・3…と具体例を書き出す
    • どのくらいの試行でパターンが見えてくるかを体感しておく

東邦の算数は、「解けるかどうか」だけでは足りない。
「速く、正確に」解けて初めてスタートラインに立てる入試だということを、受験生本人も保護者の方も知っておいてほしい。


4.習志野受験研究所の中学受験対策

習志野受験研究所(新・個別指導アシスト習志野校)では、

  • 直近5年分の本試験データ
  • 過去年度の蓄積データ

をもとに、東邦大東邦が求める「処理能力」を徹底的に鍛えるためのトレーニングを行っている。

  • 食塩水・割合・速さなど、ミスが命取りになる分野を徹底反復
  • 立体図形・規則性は、図と実験を組み合わせて「見える化」
  • 模擬テストの解き直しから、時間配分の癖・計算ミスの傾向を数値で分析

そのうえで、

「どの単元を、どの順番で、どのレベルまで仕上げればよいか」

を明確にした専用カリキュラムを提案する。

「東邦を第一志望にしたいが、算数の時間配分が不安」
「どこまで点数が取れれば、合格ラインに届きそうか知りたい」

そんなご家庭には、今回の分析結果をもとにした個別相談も実施している。
時間に追われる45分入試だからこそ、データに基づいた戦略と、日々の地道な処理トレーニングが合格への近道になる。

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この記事を書いた人

習志野受験研究所 所長/新・個別指導アシスト習志野校 塾長

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